国内情勢悪化でニジェール共和国からの出国を希望していた邦人10人が3日までに全員、国外に退避できたと松野博一官房長官が3日の記者会見で明らかにした。
松野官房長官は「現地時間の3日未明、ニジェールからの退避を希望していた在留邦人8名がフランス政府手配の航空機でパリに退避した」と発表。「今回の邦人退避に当たって、フランス政府の協力に対し心から感謝を申し上げます」と謝意を述べた。
そのうえで「1日にニジェールからパリに退避した2名と合わせ、退避を希望した10名の邦人全員の出国が実現した」と述べた。
また松野官房長官は「ニジェール国内には様々な事情で在留希望の邦人がごく少数いる。政府としてニジェール国内の在留邦人の安全確保に引き続き全力で対応していく」と語った。
ニジェールでは7月26日に首都ニアメにあるニジェール大統領府への出入りが封鎖され、ニジェールの軍の一部兵士がバズム大統領を拘束するなど不穏な事態を迎えている。これに外務報道官は「我が国は事態を深く憂慮し、アフリカ連合(AU)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)等と共にニジェールの軍の一部兵士による今般の行動を強く非難し、バズム大統領の安全が確保されることを求める。またニジェールにおいて憲法に基づく秩序が堅持されるよう呼びかける」との外務報道官談話を発表していた。(編集担当:森高龍二)