制作サイドに収益還元するビジネスモデル構築へ

2024年04月19日 06:22

181 週末記事(CP+2)_e

2022年の日本コンテンツの海外売上(輸出額)は4兆6900億円(音楽を除く)で石油・化学産業(1兆5000億円)の3倍以上

 岸田文雄総理は17日開いた新しい資本主義実現会議でアニメ・映画・音楽・ゲーム・漫画・放送番組といったコンテンツ産業活性化戦略で「制作現場の労働環境や賃金の支払といった側面でクリエイターが安心して持続的に働くことができる環境が未整備」とし「我が国のクリエイター個人の創造性が最大限発揮される環境を整備する必要がある」と強調。

 そのため「公正取引委員会協力の下、契約を適正化するため、実態調査を行い、結果を踏まえて優越的地位の濫用を防止し、それに反する行為は独占禁止法に抵触するおそれがあることを示す指針の作成を図る」とした。

 岸田総理は「官民の取組みにより、制作サイドに収益を還元するビジネスモデルを構築する」と語った。

 また海外展開を促進するとし「国際見本市や国際映画祭における出展機能や海外への進出に際しての制作会社に対するビジネス展開支援の抜本強化、若い人に対する留学支援や国内での学びの場の整備などを実施する」と述べた。

 政府資料によるとコンテンツ市場規模は、日本は12兆9000億円とアメリカ(57兆3000億円)中国(27兆2000億円)についで世界3位。

 2022年の日本コンテンツの海外売上(輸出額)は4兆6900億円(音楽を除く)で石油・化学産業(1兆5000億円)の3倍以上。半導体産業(5兆7000億円)や鉄鋼産業(5兆1000億円)に迫る勢い。音楽を除き、ジャンル別では輸出額59%はゲーム。次いでアニメ31%、出版7%、映画・テレビ3%とゲームが圧倒的なシェアを占めた。(編集担当:森高龍二)