凸版印刷は、自社のCSRレポート「TOPPAN CSRレポート 2011」で「カーボンフットプリント(CFP)マーク」の使用許諾を取得。10月上旬に発行する同冊子に、CFPマークを表示する。
CFPとは、商品・サービスの①原材料調達、②生産、③流通、④使用・維持管理、⑤廃棄・リサイクルにいたるまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算し、その排出量をわかりやすくマーク表示する仕組み。日本では経済産業省が中心となり、2009年度より「CFP制度試行事業」として、共通のCFPマークを表示する仕組みを運用している。この制度は、企業の温暖化対策の取組を促進し、低炭素型の産業構造への変革の実現と、消費者自身の低炭素行動の促進を目指す。事業者が商品・サービスごとの排出量の算定ルール「商品種別算定基準(PCR)」に基づいてCFPを算定し、その結果の検証を受けてはじめてCFPマークを表示することができる。
凸版印刷では、製品を製造することによる環境への影響を定量的に評価するため、1991年に設立したエコロジーセンターを中心に研究を重ね、1998年より環境影響評価の取り組みとしてLCA手法を導入。各製品を製造することによる環境への影響を定量的に評価している。また、2008年より環境影響評価の一つとして「CFP制度試行事業」に取り組んでおり、CO2排出量算定のための社内体制を構築し、社員への教育を行ってきた。そして本年6月には自社の環境パンフレット「エコビジネスのヒント」でCFPマークの使用許諾を取得したという。
今回発行する「TOPPAN CSRレポート2011」は、FSC認証紙やリサイクル適性のある印刷用紙を使用することで、環境への負荷を軽減。今回、顧客や株主、地域住民、従業員など、多くのステークホルダーへの情報発信媒体であるCSRレポートにCFPマークを表示することで、凸版印刷の環境に対する積極的な取り組みを示すとともに、環境に対する社会全体の意識向上につなげていく。
今後、凸版印刷では、ISO14021をもとに独自に策定した「環境14主張」に基づき、環境への負荷を軽減した印刷物の製造をすすめ、発行する自社の各種パンフレットなどでCFPの算定・表示を実施。さらに、同社で請け負う各種印刷物や包装容器などの得意先製品についても、カーボンフットプリント値を提供するサービスを検討していく。