HondaJet、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した試験飛行に成功 HACI発表

2025年10月16日 07:20

Honda SAF

HondaJetは、すでに最大50%のSAF混合燃料による運航実績があり、2023年にHondaJetに搭載されているHF120エンジンを用いた100% SAFによる地上試験を完了していた 今回、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した試験飛行に成功した

 ホンダの航空機事業子会社のホンダ エアクラフト カンパニー(HACI/本社:⽶国ノースカロライナ州グリーンズボロ市)は、現地時間2025年10月13日に同社が開発・製造するHondaJetが、ベリーライトジェットカテゴリー内のツインエンジンジェット機として世界で初めて、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した試験飛行に成功したと発表した。

 SAFは航空領域でのCO2排出量を削減し、カーボンニュートラルを達成する手段の1つとして注目されており、SAFの利用は米国材料試験協会(ASTM)による認可制となっている。また、既存のジェット燃料へSAFを混合できる含有率の上限が定められている。

 現在の上限は50%となっているが、今回の試験により、今後のSAFの進化・普及に向けて、100%SAFを使用できる可能性を確認することができた。

 HondaJetは、すでに最大50%のSAF混合燃料による運航実績があり、また、GE Honda Aeroは2022年および2023年に、HondaJetに搭載されているHF120エンジンを用いた100% SAFによる地上試験を完了していた。

 今回の試験飛行では、100%SAFをHondaJetに使用した場合の影響を既存のジェット燃料と比較し評価。SAFには、HEFA-SPKとHDO-SAKを混合した100%SAFを採用し、HACIの本社がある米国ノースカロライナ州グリーンズボロ周辺を飛行した後、ピードモント・トライアド国際空港に着陸した。その結果、通常のジェット燃料を使用した場合と同等の飛行性能が確認された。

 HondaJetは、独自の機体設計により、同クラスで最も燃費効率の良いビジネスジェット機として評価されており、HACIは2024年10月に全米ビジネス航空協会(NBAA)より「Sustainable Flight Department Accreditation(持続可能な飛行部門認証)」を取得している。

 また、Hondaは、SAFの安全性を評価し規格化の支援を行う国際団体(FAA/OEM Review Panel)に加入しており、SAFの安全性向上と普及に向けて活動している。(編集担当:吉田恒)