今回のニュースのポイント
厚生労働省が公表した2025年の人口動態統計(概数)によると、1人の女性が生涯に設ける子どもの数の目安となる「合計特殊出生率」は1.14となり、近年の低下傾向が続いていることが分かりました。年間の出生数も67万1236人と過去最少を更新する一方、婚姻件数は前年比4,027組増の48万9119組と上回っており、未婚化や晩婚化に加え、別の要因にも目を向ける必要性を示す結果となった。出生数と死亡数の差を示す人口の「自然増減数」は91万8253人のマイナスとなり、19年連続で減少幅が拡大しています。
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国内の人口構造を巡る少子化と人口減少の動きが続いています。厚生労働省が公表した最新の人口動態統計によると、2025年における国内の合計特殊出生率は1.14を記録し、前年の1.15からさらに低下しました。これにより、出生率は2016年以降低下傾向が継続している実態がみられます。同年の出生数についても、前年から1万4937人減少して67万1236人にとどまり、過去最少水準を更新しています。これに対して年間死亡数は158万9489人となっており、出生数から死亡数を差し引いた「自然増減数」はマイナス91万8253人と、19年連続のマイナスを記録するとともに減少の勢いが続いています。
今回の統計で注目されるのは、婚姻件数の増加と出生数の減少が同時に起きている点です。これまでの一般的な少子化を巡る議論においては、未婚化や晩婚化が出生減少の主な要因として語られる傾向がありました。しかし、2025年の婚姻件数に目を向けると、48万9119組となって前年の48万5092組から4,027組増加しており、婚姻件数は2年連続で増加しました。つまり、結婚するカップルの数自体が増加傾向を示しているにもかかわらず、生まれてくる子どもの総数はそれとは逆行するように減少の一途をたどるという状況が発生しています。
この要因を詳しく分析する上で、今回の統計で重要な裏付けとなるのが「出生順位別」のデータです。生まれた子どもが第何子にあたるかを分類した内訳を見ると、2025年は第1子が31万9158人(前年比3318人減)、第2子が24万281人(同8381人減)、第3子以上は11万1797人(同3238人減)となり、第1子、第2子、第3子以上のすべてで前年を下回った。婚姻件数が増加する一方で、出生順位を問わず出生数が減少したことになる。このデータからは、婚姻にいたる層が増えている一方で、出生数の減少傾向が全般的に進行している現状がうかがえます。
こうした出生動向の背景については、現役世代の生活環境や経済的な側面など、様々な指摘がなされています。統計データからは、第1子出生時における母親の平均年齢が31.0歳と前年と同水準で横ばいとなっており、足元で急激な晩婚化が進んだ形跡は見られないことから、婚姻件数と出生数の動きに乖離がみられるため、婚姻後の出生動向にも関心が集まりそうです。
こうした現状は、政府や自治体がこれまで進めてきた少子化対策に対しても一石を投じるものです。これまでの政策の多くは、結婚支援や保育インフラの整備、児童手当の拡充などが中心でした。しかし、結婚数の回復が必ずしも出生数の回復に結びついていない現状を踏えると、従来の未婚化対策を中心とした枠組みだけではなく、「子どもを持とうと思える環境づくり」へ向けた政策のあり方が改めて問われそうです。
今回の統計で見えたのは、未婚化だけでは説明しきれない少子化の側面です。婚姻件数と出生数の動きに乖離がみられたことは、少子化を考える上で新たな論点となりそうです。人口減少が続く中、実効性のある少子化対策に向けた具体的なアプローチの模索が今後も続きそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













