今回のニュースのポイント
・2026年1月より、欧州の炭素国境調整措置(CBAM)が本格運用期間に移行。鉄鋼やアルミニウム等の対象製品をEUへ輸出する際、CO2排出量に応じたCBAM証書の購入が義務化され、実質的な金銭的負担が発生します。
・経済産業省の試算によれば、CBAM導入による日本企業の追加負担は鉄鋼分野だけで年間500億円を超える見通しです。これを受け、国内のGXリーグ参画企業は2025年度末までに1,000社を突破する見込み(経済産業省目標)となっています。
・国内の再生可能エネルギー導入比率は、2023年度の22.9パーセントから、2026年度には26パーセント(IEEJ見通し)へと着実に伸長。蓄電池の普及により、変動電源の安定活用がビジネスの現場で浸透しています。
2026年のビジネスシーンにおいて、脱炭素はもはや社会貢献の枠組みを脱し、国際貿易における死活的な生存戦略となりました。特に注視すべきは、2026年1月から本格運用が開始された欧州連合(EU)の炭素国境調整措置(CBAM)の影響です。これまでの移行期間(報告義務のみ)が終了し、鉄鋼やアルミニウム、肥料といった対象製品をEU域内へ輸出する企業は、製造過程でのCO2排出量に応じた証書の購入が義務付けられ、実質的な炭素税の負担が開始されました。
この規制による経済的インパクトは甚大です。経済産業省の試算では、CBAMによる日本企業の追加負担は、鉄鋼分野だけでも年間500億円を超える可能性が示唆されています。こうしたコスト増を回避し、グローバル市場での競争力を維持するため、国内企業のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略は加速しています。排出量取引や削減目標の共有を目的としたGXリーグへの参画企業は、2025年度末までに1,000社を突破する見通しとなっており、主要製造業だけでなく、そのサプライチェーンを構成する中小企業に対しても、排出量データの可視化が事実上の取引条件となりつつあります。
エネルギーインフラの面でも、変化は加速しています。日本の総発電量に占める再生可能エネルギーの比率は、2023年度の22.9パーセントから、2026年度には26パーセントに達する見込みです(日本エネルギー経済研究所予測)。太陽光や風力といった変動電源を補完する産業用蓄電池の導入が進んだことで、工場やデータセンターの電力を再エネで自給するオフサイトPPAなどの手法が一般化しました。
2026年の日本経済において、GX投資は単なる環境対策ではなく、不透明なエネルギー情勢下での電力コスト安定化と、グローバルな市場参入権を確保するための最優先の経営投資であると言えます。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













