今回のニュースのポイント
・2026年2月20日の施政方針演説で示された「成長・危機管理投資の多年度別枠管理」を軸に、科学技術、防衛、GX等の関連分野への戦略的投資を具体化。
・市場では財政の持続可能性への注目度が高まっており、週明けの10年国債利回りは2.1パーセント台を中心に、将来的な2パーセント超定着への心理的影響を注視。
・積極財政によるGDP押し上げ効果への期待がある一方、金利上昇が住宅ローンや企業の借入コストを押し上げる可能性を巡り、市場との対話が最大の焦点。
連休明けの朝、オフィスへ向かう駅の掲示板には、株価や金利の速報が流れています。私たちが普段目にする10年国債利回りが2.1パーセントといった数値で推移する背景には、単なる数字以上の国家の意思決定が潜んでいます。
高市首相が掲げた「成長・危機管理投資の多年度別枠管理」は、日本の予算編成における大きな転換点となり得ます。これまで、日本の予算は1年ごとに使い切る単年度主義が原則であり、これが長期的な研究開発や大規模なインフラ整備の足かせとなってきました。新制度では、これを検討案として別枠で管理することで、民間企業が数年先の需要を予測し、安心して投資できる環境を構築することを目指しています。
しかし、世界中の投資家は、この積極的な資本投入が将来の金利にどう跳ね返るかをシビアに見ています。債券市場では、財政支出の拡大が国債の需給バランスを崩さないかという懸念から、利回りが上昇しやすい局面が続いています。金利が例えば現状からさらに0.2パーセント上昇し、2.3パーセントを超えるような展開になれば、それは企業の設備投資や、私たちの住宅ローンの固定金利設定にも直接的な影響を及ぼします。
一部の専門家からは、こうした戦略的投資が呼び水となり、中長期的に実質GDPを押し上げる(0.4から0.5パーセント程度の試算もあり)との支持がある一方で、市場関係者からは野放図な支出拡大への警戒も消えていません。この施策が成功するかは、単にいくら出すかではなく、市場の信認を保ちながらいかに質の高い成長を導き出せるかにかかっています。
金利の動きは、いわば経済の体温計です。政府が示す多年度の投資枠が、日本経済に心地よい熱量をもたらすのか、それとも過熱を招くのか。私たちは目先の予算額だけでなく、それがどのように将来の産業構造を形作るのかを注視していく必要があります。(編集担当:エコノミックニュース













