楽天リサーチと楽天は、楽天リサーチ登録モニターの中から全国の20~69歳の男女計1,000人を対象に8月に行った電子書籍に関するインターネット調査の結果を30日に発表した。
まず、電子書籍の存在に関しては、「よく知っている」と答えたのが20.2%で、「やや知っている」(50.8%)と合わせると71.0%となり、高い認知をうかがわせる結果に。電子書籍の今後の利用意向に関する質問では、「利用したこともあるし、今後も利用したい」が13.3%で、「利用したことは無いが、今後利用したい」(44.0%)と合計すると57.3%となり、肯定的派が半数以上を占めた。ただ、昨年に比べ利用意向層は7ポイント減少しており、勢いが収まりつつあるともいえる。「利用したことは無いし、今後も利用したくない」と答えた否定派人が37.1%という高い割合を示したことも無視することができない結果である。
利用意向者に「利用したい理由」を聞いたところ、「何冊も書籍を持ち運ぶ必要がなく、手軽になるから」が69.1%でトップ。また、反対に電子書籍非利用意向者にその理由を聞いたところ、「紙で読む方が好きだから」が56.9%と高い数字を記録。手軽さは魅力だが、依然、紙で読みたい層の存在も根強いことが分かった。さらに、電子書籍利用意向者を対象に、どの端末で読みたいかを聞いたところ、「パソコン」が45.9%でトップ、続いて「スマートフォン」(33.9%)、「iPadなどのタブレット型多機能携帯端末」(30.0%)と続いた。
昨年の調査の結果と比べるとスマートフォンが18.7ポイント増と大幅に躍進しており、タブレット型多機能携帯端末を上回る結果となった。背景には、スマートフォンが一気に普及したことによって、「すでに保有する端末で電子書籍を読みたい」という意向が表れているように思われる。
今回の調査結果を踏まえ、すでに一般的に広まった感のある電子書籍市場が今後、どういった動向を見せるのか、注目したい。