日本直販を運営する総通が民事再生法の適用を申請するなど、テレビ通販業界に陰りが見える一方で、8割近い人口普及率を背景に拡大をするインターネット通販市場。拡大と共に競争が激化しているこの市場に、企業や事業主向けにオフィス用品や現場用品の通販を手掛けているアスクルが、一般消費者向けでも本格参戦した。
先月の15日から、スマートフォン・タブレット端末での一般消費者向けインターネット通販サービス「LOHACO」(ロハコ)を開始していたアスクル。このロハコが、20日、PCサイトをオープンさせ、サービスを本格させた。「かさばる日用品を宅配購入で課題解決」をコンセプトに開始された本サービスは、日用品などの生活必需品を中心に毎日使うものが、いつでも低価格で、スピーディーに、欲しい時に届けるインターネットショップで、「かるいくらし」をテーマに「スマートショッピング」を提案している。また、いわゆるブランド品からアスクルプライベートブランドまで幅広い商品が取りそろえられているという。
また本サービスは、Yahoo!ショッピングとも連携。これにより、購入金額に応じてYahoo!ポイントが付くだけでなく、Yahoo!ショッピングが提供してきた翌日配送サービス「あすつく」や、10時までに注文すると最短で当日の18時から20時又は20時から21時の指定時間帯に商品が届く配送サービス「きょうつく」の対応が可能となっている。
日本通信販売協会の調査によると、2011年度の通販市場は5兆円を超え、前年比9.0%増の5兆900億円となっている。この市場拡大を牽引しているのが、過去10年間で2倍に成長したインターネット通販である。近時は、ネットスーパーなども台頭しており、日用品等をインターネットで購入すること動きが広まりつつある。他社との差別化を図りにくい商品を扱うだけに、市場が成熟するにつれ、サービス面の充実が生き残りのカギとなるだろう。こうした中アスクルは、企業や事業主を相手に積んだノウハウをどう生かしてくるのか、注目が集まるところであろう。