今回のニュースのポイント
業者からの連絡に「約3割が拒否」:東京商工リサーチ(TSR)の調査で、退職代行業者から連絡を受けた企業のうち30.4%が「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」と回答しました。
非弁行為リスクへの警戒感:弁護士資格のない業者が退職日の調整や有給交渉を行うことは「弁護士法違反(非弁行為)」に該当する恐れがあり、企業側が警戒を強めています。
採用への影響が示唆される結果に:退職代行の利用歴が採用判断にマイナスに働くと答えた企業が7割超に達し、「利用歴が分かれば次の転職で不利に働く可能性がある」との見方も示されました。
グレーゾーンに踏み込む通知が3割:退職意思の取次だけでなく、残業代請求や退職日の調整など、非弁行為に触れる可能性のある通知を受けた企業が30.4%に達したことも分かりました。
退職代行サービスをめぐり、企業側の対応に変化が出始めています。東京商工リサーチが実施したアンケート調査によると、退職代行サービスから連絡を受けた企業に限ると、約3割(30.4%)が「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」と回答しました。法的リスクを背景に、一部の企業が距離を取り始めた実態が示されています。
2026年2月には、著名な退職代行サービス事業者の代表が弁護士法違反(非弁行為)の疑いで逮捕される事件もあり、企業側では安易に応じることがリスクとなり得るとの認識が強まっています。この背景にあるのは、弁護士法72条が禁じる「非弁行為」への懸念です。弁護士資格を持たない民間業者が、報酬を得る目的で本人の代理人として「退職日の調整」や「有給休暇の取得交渉」などを行う行為は、法律事務に当たると指摘されています。
さらに注目されるのが、将来の評価面での懸念です。データ上は、採用活動において求職者の退職代行利用歴が判明した場合、「採用に慎重になる(49.3%)」または「採用しない(26.0%)」と答えた企業が合わせて7割超を占めています。これは、退職代行の利用歴が判明した場合に「次の転職で不利に働く可能性がある」との見方を示唆しており、企業側による慎重な視線が浮き彫りとなっています。
退職代行は「会社に行かずに辞められる」利便性から普及しましたが、現在ではその利用が将来の評価に影響を及ぼす可能性も議論されるようになっています。今回の調査では、単なる退職意思の取次のみだったケースを除いて、給与交渉などのグレーゾーンに踏み込む通知を受けた企業が30.4%に達した実態も明らかになりました。
退職代行を検討する場合は、弁護士や労働組合が運営するサービスなのか、民間業者であれば弁護士とどのように連携し、交渉の範囲はどこまでかといった点を確認しておくことが、後々のトラブル回避に繋がります。「辞める時はスムーズだが、その後のキャリアに不利益が生じる可能性がある」というリスクについても、利用者は冷静に認識しておく必要がありそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













