国土交通省は千葉県大多喜ダムなど8ダムに対する事業の継続か中止について主体の自治体の検討結果を検証した結果、大多喜ダムと兵庫県の武庫川ダムについて、地元自治体の判断に沿う形で、補助金交付を中止する方針を決め、12日発表した。
地元自治体が継続とした検討結果を出した岩手県簗川ダムと山形県最上小国川ダム、兵庫県金出地ダム、兵庫県西紀生活貯水池、和歌山県切目川ダム、高知県和食ダムについては、検証の結果、いずれも継続が妥当と考えられるとして、補助金の交付を継続していくこととした。
大多喜ダムと武庫川ダムについては、河道改修、河川整備の方が優位と地元自治体が判断。その判断を妥当とした。
大多喜ダムは千葉県などが平成3年度から国の補助事業として治水・利水目的のダムとして建設を進めてきたが、事業の再評価で建設の中止を決定。今年3月末で建設事務所も閉鎖していた。
また武庫川ダムについては兵庫県が計画していたが、流域の自然保護を訴える住民らによるダム建設反対運動もあって、建設に向けての合意形成に時間がかかりすぎるなども懸念され、ダムに頼らない武庫川水系河川整備計画を立案し、ダム以外の方法で治水することとした経緯がある。国は社会経済情勢などの変化を踏まえた検討結果で兵庫県の対応方針は妥当と考えられるとしている。
(編集担当:福角忠夫)