日経平均なぜ上昇 中東リスクでも資金流入

2026年04月20日 18:47

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中東リスク下で株価が上昇する理由 最悪シナリオへの警戒後退と円安が支え

今回のニュースのポイント

中東情勢の緊迫化でも日経平均は上昇:ホルムズ海峡の情勢不安など中東情勢の緊張は続いているものの、日経平均株価は前週末比500円超の上昇を見せ、底堅く推移しています。

最悪シナリオへの警戒がやや後退との見方:市場は当初、原油100ドル超や供給寸断を懸念してリスクオフに振れましたが、停戦協議の進展期待などから「過度な警戒がやや和らいだ」との見方が出ています。

原油価格が想定内のレンジに:WTI原油先物は一時100ドルを試すとの見方が広がる場面もありましたが、足元では90ドル前後のレンジにとどまっており、不安の連鎖が抑制されています。

円安と海外資金の流入が下支え:1ドル=150円台〜160円近辺の円安を背景とした輸出企業の業績期待や、円建て資産の割安感を狙った海外マネーの流入が株価を押し上げています。

 中東情勢の緊張が続く中でも、日経平均株価が上昇しているのはなぜでしょうか。背景には、株式市場がリスクをどの程度、どのように「織り込んでいるか」という独特の構造があります。

 足元の事実は、中東での地政学リスクが継続している一方で、株価は上昇し、原油価格も一定の範囲内にとどまっているという状況です。中東リスクは決して消滅したわけではありませんが、市場への新たな材料としての影響は、一時的な混乱期を経てやや限定的になりつつあります。

 上昇の大きな要因は、地政学リスクが「織り込み済み」のフェーズに入ったことです。市場は当初、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖や原油100ドル超といった「最悪シナリオ」を想定して動きました。しかし、現実には停戦協議の進展期待や、原油供給が完全に停止するまでには至っていない現状を受け、「事態は想定された最悪のケースを下回っている」と受け止められています。この「最悪よりはマシ」というギャップが、リスクオフからの買い戻しを誘う構造を生んでいます。

 また、1ドル=150円台から160円近辺という歴史的な円安水準も、強力な押し上げ要因となっています。円安は日本の製造業にとって業績の追い風となるだけでなく、海外投資家にとっては日本株が「割安なドル建て資産」に映ります。こうした需給面での支えが、地政学的な不安を上回る形で資金流入を招いています。

 ただし、この上昇は決して「安心感」に基づくものではありません。原油価格が高止まりし、火種が残る中での「不安を抱えたままの上昇」であり、その強さは非常に不安定なものです。

 いま問われているのは、やはり原油価格と為替の動向です。停戦協議の進展期待が頓挫して原油価格が再び急騰するような事態になれば、足元の「織り込み済み」という前提は簡単に崩れ、相場が反転する可能性を常に孕んでいます。地政学リスクの再燃に警戒しつつ、円安と業績期待の綱引きを注視する局面が続きます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)