日本の成長戦略を巡る経営者アンケートでは、「コンテンツ」がAI・半導体を上回り最多の支持を獲得した。企業経営者が考える日本の競争力と、成長産業育成に求められる政策の方向性が注目されている。(イメージ写真)
今回のニュースのポイント
経済同友会インスティチュートは2026年6月2日、会員を対象に実施したタイムリーな経済課題に関するアンケートの調査結果を公表しました。日本成長戦略会議が掲げる戦略17分野のうち「世界と戦っていける勝ち筋のある産業」を複数選択で尋ねたところ、最も多くの支持を集めたのは「コンテンツ」でした。近年、国策としての巨額投資が相次ぐ「AI・半導体」を抑えて文化・知財領域が首位となったほか、経営者が真に求める産業政策のあり方について具体的な意識が浮き彫りとなっています。
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経済同友会内の調査・公表機関である「経済同友会インスティチュート」は、2026年5月14日から27日にかけて、同会の会員を対象にアンケート調査を実施し、208名から回答を得ました。調査では、緊迫化する中東情勢による経営への影響や社会保障国民会議での税制議論に加え、政府の「日本成長戦略会議」における戦略17分野を巡る成長戦略への見解について、経営者の声を広く収集しています。
成長戦略に関する設問の中で、回答者が「今後、世界と戦っていける勝ち筋のある産業」(3つまで選択)として選んだ上位の項目は、1位が「コンテンツ」で107名(約51.4%)、2位が「AI・半導体」で83名(約39.9%)、3位が「フードテック」で51名(約24.5%)という結果になりました。以下、「防災・国土強靱化」が49名、「マテリアル(重要鉱物・部素材)」が45名と続いています。次世代技術として期待される「量子」は37名、「デジタル・サイバーセキュリティ」や「情報通信」はそれぞれ15名に留まりました。生成AIの台頭や国内での大規模な半導体工場建設などにより、半導体関連の産業政策に注目が集まる中、日本が長年培ってきたアニメやゲームなどの「コンテンツ」が最も多くの支持を集めた点は、今後の成長戦略を考える上で注目される結果となりました。
こうした「勝ち筋のある産業」の成長を促すために必要な施策について、2つまで選択する形式で尋ねたところ、最も多くの回答を集めたのは「複数年度にわたる予算コミットメントと官民投資ロードマップの策定」で113名にのぼりました。次いで「人材の育成強化(人材のリスキリング、高度外国人材の受け入れ、理工系・データサイエンス人材育成等)」が105名となり、税制面からのアプローチである「設備投資・研究開発促進に向けた施策(税制優遇拡充など)の実施」の75名や、「規制のサンドボックス拡充と許認可プロセスの抜本的スピードアップ」の66名を上回りました。
アンケート結果からは、複数年度にわたる政策支援や投資ロードマップの整備を重視する経営者が多いことがうかがえます。長期的な官民の投資ロードマップが明確に提示され、同時にデジタルや理工系分野などの高度人材供給が安定して行われる環境こそが、企業側が大型の設備投資や中長期的な事業拡大に踏み込みやすくなる必須条件であるという認識が示されたと言えます。
政府は現在、様々な先端産業分野に対して大規模な資金支援を行っていますが、これらを真の「世界と戦える勝ち筋」として機能させるためには、一過性のブームに終わらせない政策の持続性と、既存の文化資源の強みを融合させた総合的な産業政策が求められています。今回の調査結果は、企業経営者が日本の成長戦略に何を求めているのかを示す一つの材料となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













