北海道電、純利益31%減 泊再稼働遅れで重い固定費と燃料高

2026年05月10日 11:43

今回のニュースのポイント

北海道電力の2026年3月期決算は、純利益が前年比31.5%減の439億円となりました。今期は燃料安が寄与したものの、泊原発の再稼働準備費や労務費、金利上昇が利益を圧迫。前期の核燃料売却益の反動減も響きました。来期は期ずれの悪化や燃料高リスクにより、純利益220億円への半減を見込む厳しい状況です。

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 北海道電力が発表した2026年3月期決算は、燃料価格の低下によるコスト削減効果があったものの、それ以上に原発関連費用や労務費・物価・金利上昇が利益を圧迫する内容となりました。当期の連結売上高は8,559億83百万円(前期比5.1%減)、親会社株主に帰属する純利益は439億98百万円(同31.5%減)となりました。

 収益面では、泊原子力発電所の長期停止に伴う負担が継続しています。再稼働に向けた審査対応や安全対策工事などの取り組み費用が先行して発生しており、当期もこれらの費用が増加しました。こうした泊発電所関連の固定費や、インフレに伴う労務費・物価、および金利上昇による支払利息の増加(前期109億91百万円から当期147億88百万円)は、足もとだけでなく中長期的な収益圧迫要因となっています。

 また、カーボンニュートラル対応や送配電設備の更新といった固定資産投資も継続しており、将来的な償却負担増加も見込まれています。販売面では、他社との競争激化等の影響で小売販売電力量が前年比3.0%減の221億18百万kWhとなりました。一方で、好水況により水力発電電力量が21.9%増加したことは、燃料費の抑制に寄与し収益の下支えとなりました。株主還元では、2027年3月期の年間配当を33円とする方針です。

 今後の見通しについては、泊発電所の再稼働費用は来期にかけて一部減少する見込みですが、それ以上に燃料費等調整制度の期ずれ影響が差益から差損に転じることや、燃料価格・金利の上昇が重く、2027年3月期の純利益は220億円程度と、当期から半減する慎重な予想を発表しました。泊原発の停止が続く中で、外部環境の変化を直接受ける地方電力会社の厳しい経営状況が浮き彫りになっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)