トヨタ、復興支援へ新たな取り組み、東北でのモノづくりの強化

2011年07月20日 11:00

 トヨタ自動車は19日、東日本大震災の被災地に対する継続的な支援活動「ココロハコブプロジェクト」のもと、東北においての新たな取り組みを発表した。

 まず、復興の原動力となる「未来の力」を支えることを目的として、岩手県と宮城県が設立した震災孤児・遺児の育英基金「いわての学び希望基金」、「東日本大震災みやぎこども育英募金」、また福島県が設立する予定の育英基金にそれぞれ1億円(計3億円)を寄付することを発表した。

 また、「東北」を中部・九州に次ぐ「第3の国内生産拠点」として位置付け、関東自動車工業、セントラル自動車、トヨタ自動車東北の3社が統合に向かって協議を開始する。今後は、東北をコンパクト車に専門性を持つ「第3拠点」として、車両の開発から生産まで、一貫して行う自立的な生産拠点としていき、コンパクト車強化の具体的な取り組みとして、トヨタの環境車のなかでも主力の一つとなる新型車「スモールハイブリッド車」を東北で生産することになるという。

 さらに、東北の地でのモノづくりを強化していくため、新会社に企業内訓練校を設立。東北地域の工業高校の新卒者から生徒を募集するほか、近隣の関係会社からも人材を受け入れ、1年間の教育を行う。生徒の第一期生募集は2012年7月に開始する予定で、計10から30名程度を予定。2013年4月より教育を開始する。

 それだけでなく、生産拠点の災害対応力強化・地域の電力安定化を図るため自家発電を拡充し、東北拠点の電力自給能力を高めることを目指す。まず今年中に「セントラル自動車 宮城工場」に、消費電力の約9割をカバーする8000キロワット分程度の自家発電設備を導入。今後、自然エネルギー活用や、工業団地内でのエネルギーマネジメントなどについても検討を進めていくという。

 さらに今回の発表では、「災害時に役立つクルマ」として、HV車への外部電源供給システムの導入についても公表を行うなど、被災地への精力的な継続支援へ尽力していることをうかがわせた。