積水ハウスが子ども基準の空気環境配慮住宅を発売

2011年07月19日 11:00

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「エアキス」の徹底したこだわりを力強く説明する積水ハウス 阿部社長。

 住まいにおける”空気の質”の重要性が問われている。

 人が体内に一番多く摂取するものは空気であり、さらに室内の空気は健康であるための要因としてとても重要だ。だからこそ、食物や水を健康的要素で選択するように空気も新鮮で良質なものが選ばれる傾向になってきた。

 今年、環境省が立ち上げた「エコチル(エコロジーとチルドレンの組み合わせ造語)調査」では、10万組の親子を対象として、未来の日本を支える子どもたちの健康状態を胎児の状態から13歳になるまで定期的に調査し、環境要因がもたらす成長・発達の影響を明らかにするという。空気に特化して考えてみても、子どもは体重1kgに対してその摂取量は何と大人の2倍相当になり、室内となると科学物質を含む空気を体内に多く取り込んでしまう可能性のある子ども達の健康被害は、様々な形で表れる心配が大きい。

 このような社会背景から見ても、良い空気環境を作る必要性が今後ますます求められる。特に住まいづくりにおいては、家の中で多くの時間を過ごす子どもを基準に考えることが重要になっていくだろう。

 そんな中、注目すべき取り組みを行っているのが積水ハウスだ。同社は7月13日、空気環境配慮仕様「エアキス」を同月15日より発売することを発表した。会見の場で同社の阿部社長は「徹底してこだわったのは、子どもを基準にして5つの化学物質の室内濃度を国の基準の”1/2以下”にできるようにしたこと。空気環境については10年以上前から研究を続けており、今回鉄骨戸建住宅の主力商品に標準搭載することを決めた」と力強く語った。コメントにもあるように、この「エアキス」の最大の特長は、住宅性能表示制度で「特定化学物質」として選定されているホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレンの5物質の室内濃度について、厚生労働省が定める指針値の1/2以下を実現したことだ。しかも、建物の引き渡し前に全棟の室内濃度を測定し、第三者機関で分析・評価した結果が国の基準の1/2以下であることを証明する「性能評価書」まで発行している。

 同社の徹底した空気環境へのこだわりは、化学物質を”出さない”"吸着させる”"換気する”という3つの原則をもとに、自社の研究施設で300を超える建材の実証実験をはじめ、さまざまな検証を行ってきたことでも分かる。その結果、従来の空気環境に配慮した仕様よりもアイテム数の拡大とコストダウンを実現し、販売価格を据え置いて提供することが可能になったという。

 大和ハウスの「フレッシュエアデザイン」をはじめ、他の住宅メーカーでもシックハウス対策は当然行われており、今後ますます空気環境に配慮した住まいづくりは、社会がその必要性を高めると同時に増加していくだろう。しかし、積水ハウスのように「子ども基準」ということを念頭においておかなければ、社会の求める品質にはならない。また、空気は見えないだけに、まだまだそこにお金をかける人は少ないかもしれない。だが、「エアキス」のコンセプトに見られるような、空気環境への徹底した配慮がますます社会的に求められるようになれば、他の住宅メーカー等もそれに追随し、やがてはそれが業界のスタンダードとなるだろう。その結果、消費者は意識しなくても空気環境に配慮した住宅を購入することが可能になるはずだ。このような空気環境配慮型住宅の普及のためにも、積水ハウスの今後の販売活動には注目していきたい。