通販企業の積極的な直営店出店

2011年07月15日 11:00

 大阪の新名所として5月にオープン以来、約1ケ月で540万人が来店し、賑わいを見せる大阪駅ノースゲートのファッションビル「ルクア大阪」。国内及び関西初出店舗などが注目を集める中、はちみつ商品の通信販売が主力の山田養蜂場の直営店「ルクア大阪店」も、オープンから2ケ月で来店者数は延べ1万2000人と上々の滑り出しを切ったようだ。

 約45平方メートルの売場で250品目を販売する同店に来店しているのは、通販会員の主力世代である50代から70代より若い30代から50代の女性が中心だという。通販では健康食品が売れ筋の商品だが、直売となると、日頃は馴染みのないはちみつ関連の商品を手に取って見ることができるため、多彩な商品が売れる。価格帯も500円前後のものも多く、お手ごろ感があるため、プレゼント用にと購入する20代女性も多いという。

 また、8月上旬に京都市内での出店が決定している「京都二年坂店」は、2階建てで約80平方メートルの売場面積を確保。観光客や修学旅行生を対象とし、通販で取り扱っている健康食品や化粧品などのミツバチ製品をお土産用サイズとして販売するほか、京都ならではの商品開発にも注力し、今秋発売を目指している。

 同社は2001年に岡山県鏡野町の本社敷地内に販売店をオープンさせて以来、関東・関西圏を中心に直営店をオープンさせている。これは、「手にとって商品を見たい」というユーザーの声にこたえる形で直営店を積極的に展開し、新たな世代のユーザーを獲得していくのが狙いのようだ。通販主体から直営店展開をした企業としては、1980年より無添加化粧品の通信販売を主要販路としていたファンケルが挙げられる。1995年に直営店展開を開始し、現在では全国で約200店舗の直営店を運営し顧客層を広げているという。

 山田養蜂場は今後、2012年4月期までに直営販売店を7店出店し、全15店とする予定。尚、来期以降も年10店のペースで直営店を新設する方針で、数年かけて50店以上に増やすことを目標としている。