厚生労働省は一定量(許容濃度)を超えると発がん性が疑われるなど、多くの作業所で作業工程に共通する健康障害へのリスクの高い化学物質として、化学物質リスク評価検討会が指摘した「インジウム化合物」「エチルベンゼン」「コバルト及びその化合物」について、今後、健康障害防止措置検討会(化学物質管理や労働衛生管理などの専門家で構成)で具体的な検討策を検討する、と14日発表した。
厚生労働省では、こうしたリスクの高い化学物質による作業員の曝露を減らすため、検討会が具体的対応策を打ち出すまでもなく、適切な管理を行うよう関係事業者に指導する方針。
リスク評価検討会によると、問題の3物質は「製造・取り扱いを行う一部の事業現場で高い暴露がみられ、作業工程共通のリスクと考えられる」としている。このため、「他の事業場においても高い曝露が推測される」とし、化学物質の健康障害防止措置検討会での具体的措置の検討と事業者による適切管理を行政指導するよう提言した。
リスク評価検討会によると、インジウムはハンダ、低融点合金、液晶セル電極用、歯科用合金、防食アルミニウム、光通信、太陽熱発電、電子部品などに使用されており、エチルベンゼンは溶剤や希釈剤として、コバルトは特殊鋼、触媒、超硬工具などに使われているという。
(編集担当:福角忠夫)