熊本地震、八代市も「局激」指定基準超過へ 政府、事業再開や雇用支援を強化

2026年08月13日 06:23

58065_ext_8_3

令和8年熊本地震非常災害対策本部会議。政府は発災から2週間を迎え、被災者の生活再建や事業再開、雇用維持などの支援を加速する(写真は首相官邸ホームページより)

今回のニュースのポイント

高市総理は12日、第10回令和8年熊本地震非常災害対策本部会議に出席し、被災者の生活再建や地域経済の再生に向けた支援を加速するよう関係閣僚に指示しました。中小企業向けの災害関係保証の特例については、御船町に続いて八代市も局地激甚災害の指定基準を超過する見込みとなりました。発災から2週間が経過し、在宅避難者への支援や応急住宅、公費解体、雇用維持、観光需要の回復など、政府の対応は復旧・復興と生活・事業再建へ広がっています。

本文
 政府は12日、総理大臣官邸で「第10回令和8年熊本地震非常災害対策本部会議」を開催しました。発災から2週間が経過するなか、高市早苗総理大臣は被災者の直接のニーズを踏まえ、策定を指示している「支援パッケージ」に向けた具体的支援策の検討を加速するよう指示しました。緊急的な避難・生活支援を継続しながら、在宅避難者への支援、住宅の確保、中小企業の事業再開、雇用の維持など、生活・地域経済の再建に向けた対応も広がっています。

■八代市も「局激」指定基準を超過する見込み

 地域経済や事業者の再建に向け、支援の枠組みが拡大しています。中小企業向けの災害関係保証の特例について、御船町に続き、新たに八代市についても「局地激甚災害(局激)」の指定基準を超過する見込みとなりました。

 「局激」の指定見込みとなった御船町と八代市については、日本政策金融公庫による「災害復旧貸付」において、指定された地域では1000万円を上限に貸付金利をさらに0.9%引き下げる追加措置が講じられる予定です。さらに、通常のセーフティネット保証4号とは別枠で、借入額の100%を保証する「災害関係保証」も講じられる予定です。政府は地域経済やサプライチェーンへの影響を把握し、被災事業者や協力企業への支援、生産機能の回復に向けて関係省庁で必要な対応を進める方針です。

■避難所から「在宅避難」へ、支援の切れ目防ぐ

 被災者の生活支援においては、避難形態の変化に応じたきめ細かな対応が求められています。発災から2週間が経過し、自宅の片付けなどのため、避難所から自宅へ戻って「在宅避難」に切り替える人が徐々に増加しています。

 政府は避難所を離れた人々に対しても支援の切れ目を防ぐため、見守りや生活相談を改めて徹底するよう指示しました。現在、被災地には健康管理や感染症対策を行う「保健関係チーム」が47チーム、救護活動を行う「医療関係チーム」が150チーム、福祉的支援や避難所の環境整備を行う「福祉関係チーム」が15チーム派遣されており、在宅避難や車中泊を行う被災者の健康管理を含めた支援体制を維持します。

■八代市で応急住宅着工、15市町村で賃貸型住宅受付

 住まいと生活インフラの復旧も進展しています。11日には八代市において「建設型応急住宅(仮設住宅)」の工事が始まったほか、15市町村において「賃貸型応急住宅(みなし仮設)」の受付が開始されました。政府は自治体への「伴走型」支援を実施し、着実な入居手続きを進める考えです。

 生活用水の確保に向けては、給水車や水資源機構の可搬式浄水装置を活用し、トイレカーや水循環シャワーなどへの給水支援を継続しています。また、被災地で多く利用されている井戸への対応を進めるため、「現地対策本部」のもとに新たに「対応チーム」を設置し、上下水道の応急復旧と並行して井戸の状況やニーズ把握・対策を速やかに進めています。

■公費解体、雇用維持、観光回復へ支援拡大

 復旧作業の進展とともに、生活基盤の再構築に向けた多面的な支援策が動いています。ニーズが高まっている損壊家屋などの公費解体・撤去について、政府は緊急的な公費解体を含めた被災自治体の準備支援を加速させ、「支援調整本部」を活用し、被災自治体のニーズに沿った迅速かつ効率的な支援を進めます。

 雇用の安定に向けては、「雇用調整助成金」を活用した雇用維持支援の強化を図るほか、地域経済の再生に向けて「観光需要の喚起」や「風評被害の払拭」に向けた対策の検討も進められます。子育て世帯への対応としては、こどもの居場所確保や必要な情報提供、さらには学校の新学期の円滑な開始に向けた文部科学省の現地支援強化などが指示されました。

■便乗犯罪・悪質商法への対策も強化

 治安の確保と被災者の不安解消に向けた警備活動も強化されています。全国の警察から派遣された「特別自動車警ら部隊」等による警戒や防犯指導に加え、10日からは「特別犯罪抑止部隊」が防犯カメラの迅速な設置を進めています。近く全国から「特別機動捜査部隊」も派遣され、被災に乗じた便乗犯罪の捜査体制を一層強化します。

 また、被災後の混乱に乗じた点検商法や不当な高額請求といった震災便乗型の悪質商法によるトラブルを防止するため、国民向けの注意喚起も徹底されます。

■発災2週間、復旧から生活・経済再建へ

 熊本地震の発生から2週間が経過し、政府の対応は避難生活や生活用水の確保といった緊急支援を継続しつつ、住宅、事業、雇用、観光など生活および地域経済の本格的な再建へと広がっています。今後は被害実態の把握を進めるとともに、策定される支援パッケージをはじめとする各種支援策を被災者や事業者へいかに迅速かつ着実に届けられるかが焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)