ホームで転落につながる危険な思いを経験20%

2011年07月05日 11:00

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ホームドア(写真は国交省資料から)

 駅ホームからの転落事故や列車との接触事故を防止するため、国土交通省は駅ホームへのホームドアの整備を推進しており、今年に入ってJR北海道、JR東海、JR東日本、東武、西武、京成、京王、小田急、東急、京浜急行、相模、東京地下鉄、仙台市交通局、東京都交通局、横浜市交通局の鉄道事業者15社が参加する「ホームドアの整備促進などに関する検討会」をスタートさせ、これまでに5回の会合を開いた。

 直近の今月1日の検討会では駅の安全利用に関する利用者アンケート調査の中間報告(6月27日現在での集計結果報告)が行われたが、回答者の20%が「ホームからの転落などにつながる危険な思いを経験した」と回答。ホームの危険性が改めて浮き彫りになった。ホームから転落やホーム上で列車と接触した経験がある、との回答も5%未満ながらあった。

 この調査は6月14日から17日の間に、京王(新宿、渋谷)、小田急(社内モニター)、東急(日吉、あざみ野、長津田)、京急(品川)、東武(池袋、北千住)、西武(高田馬場、練馬、国分寺)の鉄道5社11駅と1社のモニターにアンケート用紙を手渡し、後日に郵送で回答してもらっている。利用者の属性を踏まえて、午後に高齢者や母子に、夕方に通勤通学者に配布された。回答者数は1150人以上。男女概ね半数ずつ。30歳以上の回答者が9割を占めた。

 その結果、危険、あるいは大変危険と感じるホームの状況については「混雑している」「ホームの縁端からの間隔が狭いところ」「列車との隙間が大きい箇所」を指摘した人が9割を超えた。「列車が通過するホーム」をあげた人も8割いた。

 ホームドアを整備するため、運賃値上げについてどの程度まで許容できるかでは、50%が10円程度、25%が30円程度といずれも一定の値上げを容認し、全く許容できないは15%に留まるなど、安全対策上、いくらかの負担については理解を示す傾向がみられた。
(編集担当:福角忠夫)