一般用医薬品のインターネットなど通信販売による規制緩和をめぐる協議が内閣府と厚生労働省との間で6月中旬から再開されている。
内閣府は規制緩和の具体的内容について、その結論を今年度内に引き出したい意向で協議をすすめたい意向だが、医薬品の安全性確保の視点から、医薬品販売は原則「対面販売」としている厚生労働省は現行以上の規制緩和には慎重な姿勢を示しており、今年度中に結論を得るということにも慎重な構えという。
こうした中、医薬品の通信販売解禁をめざす民主党の衆議院議員51名、参議院議員8名の合わせて59名で構成する一般用医薬品の通信販売解禁を推進する議員連盟(事務局長・田村謙治衆議院議員)が衆議院第2議員会館会議室で28日、総会を開くとともに、「一般用医薬品の通信販売規制問題に関する意見書」を採択。近々に菅直人総理をはじめ、細川律夫厚生労働大臣、行政刷新担当大臣としての枝野幸男官房長官、玄葉光一郎民主党政策調査会長、直嶋正行民主党成長戦略・経済対策PT座長、足立信也同経済対策PTライフ・イノベーション小委員会小委員長に早期の規制緩和を要請する。
議連が採択した意見書では「すべての一般用医薬品の安全安心で円滑な供給体制を確保することが何よりも重要であり、そのために通信販売も選択肢として認める抜本的な措置を講ずることが一刻も早く必要であることが(28日の総会での有識者による講演や事業者から出された要望書などでも)改めて明らかになった」としている。
また、「対面販売でなければ安全性を確保できないとするデータは存在しないと厚生労働省は規制仕分けなどで発言しており、そのような状況にもかかわらず、通信販売を一律に規制することには合理性がない」としている。
そのうえで、政府に対し3月6日の規制仕分けで示された「安全性を確保する具体的な要件の設定を前提に、第3類医薬品以外についても薬局・薬店による郵便など販売の可能性を検討する、としたことを踏まえて、一刻も早い具体的制度設計に向けた明確な工程表の策定が必要」と具体化に向けた工程表の策定についても求めている。
(編集担当:福角忠夫)