夏期の電力需給対策がいよいよ本格化する。エコ・ファースト企業から松本環境相に対し「今夏期の節電への取り組み」に関する説明会が行われた。
「エコ・ファースト 2011年夏の節電の約束の会」と称されたこの説明会は18日、環境省で実施。環境保全に関する取り組みが各業界のトップランナーであると環境省から認定を受けた『エコ・ファースト企業』が24社出席し、各社がそれぞれの2011年夏期の節電対策を発表した。今回開催された背景としては、政府が東京・東北電力管内の企業に今夏期の電力不足対策として目標を一律15%と定めた事があり、エコ・ファースト企業がこの役目を率先して担うことで、他の企業が様々な節電対策を工夫するきっかけにしたい狙いがある。
製造業初のエコ・ファースト企業キリンビールは、関東・東北の節電対象管内稼働工場の昨年同時期の最大電力15%以上の削減やライトダウンキャンペーンの参加を宣言した。住宅メーカー大手の積水ハウスは節電対象管内の工場における輪番制や時差操業による電力消費の平準化や、展示場・ショールームの照明を白熱灯からLEDに交換するなどの対策を発表した。また、6月上旬から全国70万世帯の戸建オーナーや展示場来場者などに省エネのライフスタイルをまとめた冊子を配布することも加えた。業界大手のワタミは食品製造部門の工場の節電や外食店舗では日中のジョッキークーラーの電源OFF、オフィスでのマイボトル持参推奨による自販機・冷蔵庫の電力削減などを発表した。富士通は事業所での各対策のほか、ユーザーへの取組み支援として省電力型サーバーやピークシフト機能搭載のノートPCの市場投入、クラウドサービスを利用した節電対策ソリューションなどを宣言している。
多くの企業では空調の温度(28℃)徹底や照明・OA機器・エレベーターなどの使用制限、そしてクールビズを実施し、社員の節電への取組みを推進している。