各社、工場稼働の再開に向け尽力

2011年03月29日 11:00

 被害の少なかった地域から徐々にライフラインが復旧し、各社の工場の稼働再開の目途が立ってきたようだ。

 日立化成工業では、茨城県西地区、千葉県内の工場で生産再開に加え、茨城県日立地区、鹿島地区の工場も一部生産が再開したと発表した。茨城県西地区と千葉県内については、製造設備点検、製品試作等を行い、生産に支障がないことが確認できたディスプレイ用回路接続フィルム(ACF)、プリント配線板用銅張積層板、半導体用ダイボンディング材料の一部等から生産および出荷を開始。茨城県日立地区と鹿島地区、さらに栃木県内においては、地域により十分な水の供給が確保できていないが、製造設備の点検及び製品試作等を進め、生産に支障がないことが確認できた製品の一部等から生産を再開した。今週にはさらに規模を拡大し出荷を再開する見込みだという。また、グループ会社である浪江日立化成工業および浪江日本ブレーキの2社は、福島第一原子力発電所の損傷による避難指示が発令されている関係から、復旧の目途が立っていない。

 コマツは、津波で大きな被害を受けた東北地方の一部の拠点を除き、概ね生産を再開させた。栃木県の小山工場、粟津工場で生産再開、さらに茨城工場においても一部の組み立てラインを除き、再開させた。電力需給、余震、物流網の状況など、今後も生産・部品調達への影響は否めない状況が続くとみられているが、さらなる生産、調達の安定化に向け取り組んでいるという。

 地震・津波の直接的な被害を受けたために、生産を再開できない工場はもちろん、電力や水の供給、福島県の原発問題から再開できない工場も多々存在する。今後の安全性や安定した部品調達などが、より早い各社工場稼働再開への砦となるのではないだろうか。