日本の調味料・調理品市場では、2010年に売上が前年を下回った商品が7割以上にのぼったが、香辛料は前年に比べ1.25倍の規模に成長しており、「食べるラー油」の過熱ともいえる流行が後押ししたと考えられる。
そのような中、エスビー食品は3月1日より、ラー油調味料の新しい提案として「落合シェフのかけチャオ!イタリアンラー油」「のせタレ!ラー油ごま」「のせタレ!ラー油おろし」「のせタレ!ラー油ねぎ塩」を新発売する。
元々、エスビー食品は1966年に「中華オイル」という商品名でラー油を初めて発売して以降、ラー油市場をけん引、スパイス部門ではトップのシェアを占めている。今回の新商品の発売に伴い、ラー油市場をさらに活性化させるためにテレビ、雑誌、WEBのメディアミックスのもと、強力なメッセージを発信、さらにユーザーとのコミュニケーションも図りつつ全体を盛り上げるという。
なかでも人気の「モラタメ」サイトと連携し、ユーザーに商品使用機会の創出、クチコミを促進したことですでに第一弾では「モラタメ」史上、過去最高の応募数を記録しているという。 一方、食べるラー油の火付け役ともいえる桃屋は2009年8月に発売した「辛そうで辛くない少し辛いラー油」が今なお、店頭では品薄が続き人気沸騰中である。通称”桃ラー”と呼ばれるこの商品は、フライドオニオンとフライドガーリックを大量に用いて、そのまま食べてもサクサクとした食感で美味しいのが特徴だ。
2009年から2010年、ラー油市場は沸騰し、市場規模一気に10倍近くになった。それまで14億円ほどのラー油市場が、食べるタイプのラー油の出現により、バリエーションも増え、この1年足らずの間で、総計100億円を突破したという。しかし、ブームになったことにより多くのユーザーに認知された食べるタイプのラー油だが、購入経験が約1/3と低く、その分、市場として伸びる可能性を秘めているという。この市場が、2011年も目が離せないことは間違いないだろう