中小型液晶パネル事業でNEC、中国国際は資本提携

2011年03月01日 11:00

 昨今、産業用中小型液晶パネル市場は、診断用モニターを含む幅広い医療向け、放送局など映像プロフェッショナル向け、FA、計測、交通のインフラ向け、屋外の情報端末など、市場が拡大している。

 そのような中、NECおよびNEC液晶テクノロジーと天馬微電子および親会社グループの中国航空技術国際控股有限公司(以下、中航国際)はこのたび、中小型液晶パネル事業の強化に向けた資本提携に合意した。

 NEC液晶テクノロジーは、本年7月を目処に、中航国際グループ会社(天馬微電子に経営を委託)が70%の株式を保有するNECとの合弁会社となり、従来通り日本の液晶会社として、産業用中小型液晶パネルをコアとした事業を実施。この提携により、NEC液晶テクノロジーと天馬微電子の両社は、NEC液晶テクノロジーが有する世界トップクラスの高度な製品開発・設計力と、天馬微電子が有する世界有数の生産能力との緊密な連携が可能となる。これにより、NEC液晶テクノロジーは、機能的で価格競争力に優れた製品を、迅速にグローバル市場へ提供し、産業用中小型液晶パネル事業分野においてグローバルリーディングカンパニーを目指す。

 また、天馬微電子は、中国で初めて液晶製品を開発・製造し、約30年間、液晶ディスプレイ分野で事業を展開。既に、中国内に最新の中小型LCDの生産ラインを有し、中小型液晶パネル分野において事業を急速に拡大している。天馬微電子は、自社の優れた低コスト生産能力に加え、NEC駅晶テクノロジーが保有する高品質、高信頼性の製品開発・設計力を活用して、中国市場含むグローバルな顧客ニーズに応えていくことにより、中小型LCDのグローバルリーディングカンパニーとなることを目指すという。

 カシオ計算機は中小型ディスプレイ事業の新会社オルタステクノロジーを昨年2月8日付けで設立。2009年11月に凸版印刷と両社で共同開発を行っていた有機ELディスプレイの早期量産化を目指し、中小型ディスプレイ事業に関して協業することで合意していたため、新会社の株式の一部を凸版印刷に譲渡している。

 オルタステクノロジーでは、カシオ計算機が製造・販売する中小型TFT液晶ディスプレイに、新たに有機ELのラインアップを加えることにより、中小型ディスプレイ事業の競争力を強化し展開を推進。なお、オルタステクノロジーの資本金は4億円となっている。