ヤマハ発動機が2010年12月期の通期連結決算を発表した。売上高は、前期に比べ1405億円増となる1兆2941億円。収益面においても、最終利益が183億円の黒字と、前年同期の2161億円の赤字から2344億円もの大幅な回復を見せており、最終的に増収増益の形となった。
世界的な不況が影響し、危機的な状況に陥ったところの船出となった2010年、ヤマハ発動機は中期3カ年計画を掲げスタート。1年でV字回復を果たした。
二輪車の販売は、国内および北米、欧州市場で落ち込んだものの、インドネシア、ベトナム、タイなど、ポスト中国と呼ばれるアジアの新興国での出荷台数が前年比22.8%増の656万台と大幅に増加、二輪車全体の出荷台数でみても、過去最高の販売台数となる前年比19.2%増の696万台という数字をたたき出している。さらに船外機、サーフェスマウンターなど、マリンや特機事業も復調する一方、国内生産体制再編などの構造改革も推進。これらの増益要因が、円高・原材料高といった減益要因を上回ったことが業績回復の要因として挙げられる。
2010年の飛躍的な増収増益により、当初は2012年に向けた目標として自己資本比率30%、また、DEレシオ:グロス1.0、ネット有利子負債1020億円以下を掲げていたが、これらを1年前倒しで達成することを目指す。また、2011年には本社累損を解消し、復配の目処もつけるとしている。
同社は2011年12月期連結での売上高は1兆3500億円(前期比4.3%増)、営業利益530億円(同3.3%増)を計画。昨年2月の中期計画発表においては、連結売上高1兆4千億円 、連結営業利益700億円(営業利益率5%)だった2012年度の目標を、連結売上高1兆5000億円、連結での営業利益は750億円(営業利益率5%)とする。