MotoGP参戦50周年を迎えるヤマハの新たな挑戦

2011年02月21日 11:00

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シーズン開幕に向けて精力的に周回をこなすロレンソ。(2月1日から3日にマレーシア、セバン・サーキットで行われたMotoGP公式テストにて)

 今年、ロードレース世界選手権参戦50周年を迎えるヤマハ発動機は、このメモリアルイヤーに、昨年達成したMotoGP史上初の3年連続三冠(ライダー、チーム、コンストラクター)の偉業をさらに更新するという大きな目標に向け、2チーム4人のライダーが参戦する。

 ワークスの「ヤマハ・ファクトリー・レーシング」は、シリーズチャンピオンを獲得したホルヘ・ロレンソと、昨年からフル参戦している、ランキング6位でルーキー・オブ・ザ・イヤーにも輝いたベン・スピースの強力布陣での参戦だ。また、サテライトの「モンスター・ヤマハ・テック3」からは、今年でGP参戦9年目を迎えるベテランのコーリン・エドワーズ、2009年のスーパースポーツ世界選手権チャンピオンで、昨シーズンはスーパーバイク世界選手権でランキング5位を獲得したカル・クラッチローが、MotoGPへフル参戦する。マシンは両チームともに「YZR-M1」を使用する。

 一方、気になる他チームの状況だが、昨シーズン途中でヤマハからドゥカティのワークスチームへ移籍発表をしたロッシは、テストでもヤマハのマシンとの違いに戸惑いを見せており、シーズンに入るまでに乗りこなせるかが、チャンピオン奪還へのカギになると見られている。また、3台体制で臨むホンダのワークスチーム「レプソル・ホンダ・チーム」は誰もが認める速さを持つ、ストーナーを中心に5年ぶりのタイトル奪還に挑む。

■ その他の海外レースに関して

 スーパーバイク世界選手権に「ヤマハ・ワールド・スーパーバイク・チーム」が参戦。昨年、イタリアのアプリリアに奪われたチャンピオンを奪還すべく、昨シーズンまでMotoGPで活躍したマルコ・メランドリと、2009から2010年のスーパースポーツ世界選手権ランキング2位のユージン・ラバティーの2名で参戦する。また、マシンは昨年に引き続き、クロスプレーン型クランクシャフトを採用した市販スーパースポーツモデル「YZF-R1」を使用する。

 モトクロス世界選手権MX1には、ワークスとして「モンスターエナジー・ヤマハ・チーム」が参戦する。こちらも2009年以来のチャンピオン奪還を目指し、ライダーを1名からデビッド・フィリッパー、スティーブン・フロサード、アンソニー・ボアシエールの3名体制へ変更。マシンは、2010年にフルモデルチェンジした「YZ450F」をベースに、ファクトリーチューンを施した「YZ450FM」を使用する。既に1月8日から開幕しているAMAスーパークロスは、「サン・マニュエル・バンド・オブ・ミッション・インディアンズ・スーパークロス・チーム」が参戦。昨年怪我に泣いたジェームス・スチュワートと、今シーズン新加入したカイル・リーガルが「YZ450F」を駆り参戦している。

■国内レースに関して

 全日本選手権は昨年同様、ロードレース、モトクロス、トライアルの3カテゴリーに参戦するという。国内でも2008年~2009年に3つのカテゴリー全てを制覇した偉業を今シーズンも目指す。

 まず、全日本ロードレース選手権だが、国内最高峰のJSB1000 に「YSP・レーシング・チーム・ウィズ・TRC」が出場。2008年から2009年にチャンピオンを獲得しているが、今年は奪還を目指す中須賀克行が「YZF-R1」にて参戦する。さらに全日本モトクロス選手権には国内最高峰のIA1で2007年から2009年に3連覇を達成した成田亮が「YSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T.」から「YZ450F」で参戦する。

 そして、全日本トライアル選手権には国内最高峰のIAスーパークラスに「チーム・黒山レーシング・ヤマハ」から黒山健一が「TYS250F」で出場。昨年達成できなかったMFJ(財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会)公認の全日本選手権新記録となるV10獲得を目指す。