飲料メーカー各社が注力し始めたゼロ系缶コーヒー

2011年02月07日 11:00

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ゼロ系コーヒーを牽引する存在となるか。競合ブランドと共に今年のゼロ系飲料の主導権を狙う「DyDoゼロスペシャル[砂糖ゼロ]」(中央)

 不況の飲料市場でも順調に伸長を見せているゼロ系飲料。特に2010年は35%以上の伸びが予想されていた(※富士経済発表データによる)、成長を続けるカテゴリーだ。2006年に登場した「コカ・コーラZERO」がブームの火付け役となり、アルコール飲料・清涼飲料へとどんどん広がっていったゼロ系商品だが、コーヒー飲料はまだ成熟期を迎えておらず、各社が次のヒットを狙い様々な商品開発競争を繰り広げている。

 2008年からメタボ検診(特定健診・特定保健指導)が始まり、消費者の健康志向はますます高まってきた中、アサヒ飲料 は「ワンダ ゼロマックス」(現在は「ワンダ ゼロマックス プレミアム」)を、またサントリーは「ボス 大人の流儀」(現在は「スマートボス」がゼロ系として販売されている)を登場させるなど続々とゼロ系コーヒーを発売している。しかし、微糖系やブラックに続くスタンダードとして関係者の期待度は高いが、後味の悪さや、コク味の不足を指摘する声も少なくないのが現状で、定着するカテゴリーにはまだ至っていない。

 そんな中、ダイドードリンコ は通常半年と言われている開発を1年かけて、「DyDoゼロスペシャル[砂糖ゼロ]」を市場に投入、2月21日より発売する。この新製品は、世界各国から厳選された高級豆を浅煎りから深煎りまで幅広く焙煎し、本来コーヒー豆が持つ、甘く華やかな香りを最大限引き出している。また、消費者の健康志向に着目し、甘味料の一部に『イソマルトオリゴ糖』を使用、自然なコク味にこだわり、さらに健康感を付与した。

 さらに、パッケージにもこだわりを見せる。35年を迎えたロングセラー商品「ダイドーブレンドコーヒー」の伝統と革新を融合した商品イメージにぴったりのデザインは、同社のロゴをインパクトあるエンボスであしらい”斬新さ”を、ベースカラーのメタリックブルーに”清涼感”や”キレ”を表現。安心感・王道感の象徴である「ダイドー ブレンドコーヒー」のクラシカルなフラッグも、もちろん配置され、”カロリーカット”のキーワードもさりげなくプリントしている。

 2011年、ゼロ系飲料の主導権争いから飛び出すのはどの製品なのか。飲料メーカー各社の競争がさらに激化していくことが予想される。