2011年に入り、ますます活性化していくことが予測されるEV市場。それに伴い関連市場に属する企業も増加していく傾向だが、電池業界以外の企業や国も事業として積極的な展開を見せ始めているようだ。
NTTデータ は先月26日、昨年4月から商用提供をしている、EV用充電スタンド利用認証サービス及びEV用充電スタンド利用カードをクラウド型の提供サービスとして、集合住宅向けに提供を開始すると発表した。他にも大阪府が日産 「リーフ」のカーナビ向けに日本ユニシス が開発したシステムを利用し、急速充電器のリアルタイム情報を配信するなど、様々なインフラ整備も急ピッチで進んでいる。
また、EVと国を結びつける大きなプロジェクトも動き始めている。平成21年度第2次補正予算「ネットワーク統合制御システム標準化等推進事業」の一環として昨年6月に総務省に採択され、NTTドコモ やNEC 、積水ハウス などをはじめ、複数の企業が参加する「スマート・ネットワークプロジェクト」が現在、横浜みなとみらい21地区において実証実験されている。このプロジェクトは、来るスマートグリッド社会・EV社会を見据え、ネットワーク統合制御システムの普及促進を行うために、システムの基盤となる通信規格の策定と検証を目的としている。実証実験は、太陽光発電システムやLED照明などの高効率型設備機器をはじめ、NTTドコモのフェムト一体型ホームICTを導入した積水ハウスの「観環居」で実施。ここでは、太陽光発電システムで発電した余剰電力をEVへ充放電したり、家庭の電力使用とEVとを最適に振り分けるシステム制御の検証などを行う。また、同プロジェクトでは、EVの利用促進のために必要な充電スタンドの整備や効率的な車両運行管理のための通信規格の策定・検証も行っている。
■ ますます目が離せなくなる今後のEV市場
トヨタ 、ホンダ も2012年からの参入を発表し、また軽自動車業界の販売台数1位のダイハツ も開発を進めているEV市場。ますます目が離せなくなる事は間違いないが、一方ではリチウム電池の性能向上の限界など不安要素の声も聞こえてくる。EVメーカーは安価と技術性能の向上を実現させ、それを取り巻く関連企業はインフラ整備を急ぎ、様々なサービスの導入及び運用を図っていくことが、普及を促進するうえでますます重要となってくる。