次世代の省エネルギー光源として低消費電力で長寿命なLED電球に注目が集まっている。
2009年当初、東芝が家庭用のLED電球を発売したが価格は1万円前後で白熱電球の約40倍、電球形蛍光管の約10倍と高価格製品であった。そのため消費者への浸透率が低く、電球全体におけるLED電球の構成比は1%未満だったという。しかし同年7月に東芝が新モデルを発売、その後シャープ、パナソニックも新規参入し、これら製品の平均価格が、3,000円台と従来製品の50%になったことで同市場は急速に拡大していった。
2010年5月現在、LED電球の販売数量は2009年7月の約55倍、売上では約48倍に。また、電球全体におけるLED電球の数量構成比も約18%となり、金額構成比では約60%に到達している。
LED電球市場は現在、東芝、シャープ、パナソニックが人気を3分割。なかでも東芝は、2010年3月に発売したE26口金モデルが、他社競合製品よりも価格を抑えたことで支持率がトップになった。また、白熱電球の製造を中止し、LED電球へと事業の軸足を移し2015年度までにLED照明関係で計1000億円を投入。売上高を2009年度の200億円から2015年度には3500億円にする計画だという。
2008年、地球温暖化対策の一環としてコンビニエンスストアや大型ショッピングセンターなどが、白熱電球や蛍光灯を消費電力が少ないLED電球に置き換え、約2年弱で家庭用への普及が加速度を増していった。今後は拡販だけでなく、演色性といった付加価値をいかに商品につけ、他社との差別化、長寿命による買い替え長期化に対応していくのかが課題となってくる。