2020年までに温暖化効果ガスを25%削減するという政府の高い目標設定に端を発し、エコポイント制度や名古屋でのCOP10開催など、2010年は日本人ひとり一人の環境に対する意識が大きく高まった一年だったと言えるだろう。そんな一年の締めくくりに、12月9日から11日までの3日間、日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2010」が東京ビッグサイトにて開催される。12回目を迎える今回のイベントには、745もの企業や団体が出展し、新しい環境技術・サービス、企業間連携、地域連携など、低炭素社会の実現に向けた新しいビジネスモデルや取組みが多数展示される予定だ。
行政では、環境省が、地球温暖化対策の切り札として同省が推進している「エコなアクション」に特化したポイントプログラム(エコ・アクション・ポイント)を紹介。ブースでは、紙芝居ステージやポイント付与の体験コーナー、エアロバイクでの発電チャレンジなど、参加者が楽しみながらエコ・アクション・ポイントを認知できる様々なプログラムが用意されているという。また、経済産業省資源エネルギー庁のブースでは、熱需要地の周辺にある排熱や未利用エネルギー(温度差、廃棄物エネルギー等)など活用した熱供給事業「地域冷暖房」について、映像やパネル等を用いてわかりやすい解説が行われる予定だ。さらに、大学などの教育機関も多数参加する予定で、早稲田大学人間科学部の天野研究室では、三重県大台町で実施している自然環境を保全するためのオフセット・クレジットJ-VER制度を用いた山村活性化方策の紹介を行うという。
一方、民間企業からは、シャープ<6753>が、ソーラー発電による創エネと、省エネ商品・省エネ技術の開発でグリーン社会の創造をめざす同社の取り組みを紹介。また、ヤマハ発動機<7272>のブースでは、「移動手段を見直してヒトと地球の元気を取り戻そう」をテーマに、都市部における近距離移動のスタンダードな手段となりうる電動アシスト自転車「PAS」と、EVバイク「EC-03」が出展されるなど、多数の企業が環境に配慮できる商品や技術、ビジネスモデルを紹介していく予定だ。尚、期間中はエコモビリティーゾーンという特設会場が設けられ、この「PAS」をはじめ、各メーカーの電動アシスト自転車の試乗ができるという。
環境に対する積極的な取組みは、国や行政にとってはもちろん、企業にとっても社会的責任を果たす上でも重要であり、大きなビジネスチャンスでもある。停滞する日本経済が今後、また新たに浮上していくためには、環境という分野においていかにビジネスを創出していくかが鍵となってくるだろう。