関税撤廃で食糧自給率 13%に急落

2010年11月22日 11:00

 菅直人総理は19日の参議院予算委員会で市田忠義日本共産党書記局長が関税を撤廃した場合の国内農業の損失額(3兆7000億円)や食糧自給率の急激な低下(現行40%の自給率は13%まで低下する)など、日本がTTP(環太平洋戦略的経済連携協定、TPPともいう)に参加した場合の日本農業への打撃の大きさを指摘し、「(TTPへの参加は)崖っぷちに立っている人を突き落とすようなものだ」と質したのに対し、「全ての関税をゼロにした場合の数値であり、何も対策を取らなかった場合のもので、そうしてはならない。そのために、(平成の開国と)両立するための対応をしようというもの」と答えた。

 菅総理は答弁で、我が国農業就業者の平均年齢が65.8歳であることなど、就業人口の高齢化などを含め、日本農業が抱える課題を指摘しながら、基盤強化へ「(農業の)第6次産業化を進めなければならない」と農業の構造改革に本腰を入れて取り組まなければならない旨を語った。
(編集担当:福角忠夫)