大成建設<1801>は、コンクリートバイブレーターをはじめとする建設機械や一般産業機械、各関連機器の研究・開発から製造・販売までを行っているエクセンと共同で、新型の直径28ミリ小口径コンクリートバイブレーター(内部振動機)を開発したと発表した。従来の28ミリという小口径バイブレーターのサイズを維持しながら、モーターや振動発生部を改良することにより、今までの約1.5倍まで大幅に締固め能力を向上させることに成功したという。
阪神・淡路大震災以降の耐震基準の見直しにともない、コンクリート構造物に多くの鉄筋が配置されるようになったが、これに加え、近年は環境配慮や景観デザインの観点から、部材厚を薄くした形状が多くなり、配筋状態がますます高密度化するケースが増えているようだ。このような場合、一般に使用される口径40ミリのバイブレーターでは錯綜する配筋の中に挿入するのが難しい場合が多いので、締固め能力の小さい従来の小口径28ミリのバイブレーターを用いて施工しているが、これだと多くの手間と時間を余儀なくされるのがこれまでの現状だった。
今回、大成建設は、それらの課題を解決するために新型の小口径バイブレーターを開発。特殊モーターを用いて回転数を上げることで、バイブレーターの挿入箇所の削減や作業時間の短縮が可能にした。併せて同社は、締固め作業を確実に、かつ効率よく行うための評価手法も構築。確実な品質を確保するのに必要な締固めエネルギーを導き出し、高密度配筋におけるバイブレーターの最適な挿入回数や作業時間を設定することにより、新型小口径バイブレーターの使用方法も確立している。
今後、同社は最適な挿入間隔や時間など、施工上のポイントをまとめたマニュアルを作成し、積極的に自社案件で使用していくとともに、総合評価入札などにも提案していく方針だという。
(編集担当:中里恵)