竹中工務店と東京工業大学、CO2排出量の少ないセメント開発中

2010年11月09日 11:00

 竹中工務店と東京工業大学は、デイ・シイ、竹本油脂、栗本鉄工所と共同で鉄鋼製造の副産物である高炉スラグを主体とする焼成不要のセメントと、構造体の開発に目途をつけ実用化に向けた研究を進めている。

 従来のセメントは、製造時に石灰石などの原料を高温で焼却するため多くのCO2を排出する。これは、国全体の4%近くを占めるほどである。一方、今回研究を進めているECMセメントは従来に比べ60~80%も削減が可能になるという。しかし、強度を出すために時間を要したり、収縮によるひび割れが起きやすい、内部の鉄筋が腐食しやすいなどの課題が多くあったのも事実だ。そこでこれらを解消すべく、高炉スラグを主材とし、高炉スラグの硬化に必要な反応刺激材として、解体コンクリートをリサイクルすることによって発生する再生微粉と特殊成分を利用。現在、実用化に向けてさらに研究を進めている。

 竹中工務店および東京工業大学のグループは、これらECMセメントと構造体に関して現在特許を出願中だという。
(編集担当:山下紗季)