APEC開催に合わせ「スマート・ネットワークプロジェクト」実証実験開始

2010年10月21日 11:00

 NTTドコモやNEC、積水ハウス、バンダイナムコゲームスなど12社が参加する「スマート・ネットワークプロジェクト」は20日、ホームICTおよび電気自動車(EV)を支えるサービス基盤で利用する通信規格の国際標準化を推進するため、横浜みなとみらい21地区に実証実験を実施するフィールドを構築したと発表した。平成22年11月から平成23年3月までの期間で各社共同の実証実験を行う。

 「スマート・ネットワークプロジェクト」は、来るスマートグリッド社会、電気自動車社会を見据え、ネットワーク統合制御システムの普及促進を行うため、システムの基盤となる通信規格の策定と検証を行い、その結果として低炭素社会の実現に寄与することを目的としている。同プロジェクトは平成21年度の第2次補正予算「ネットワーク統合制御システム標準化等推進事業部」の一環として6月に総務省に採択されている。

 同プロジェクトは、屋内の通信規格の標準化を目指す「住宅/EVネットワーク」グループと、街中でのEVの活用を支える通信規格の標準化を目指す「EVサポートネットワーク」グループの2つのグループから構成されており、前者ではNTTドコモが代表幹事を、積水ハウスが幹事を務め、後者では代表幹事をNECが、幹事をバンダイナムコゲームスとNTTドコモが務める。尚、通信規格の検討は各グループで行い、実証実験はプロジェクト全体で行う。

 各グループが行う実証実験では、「住宅/EVネットワーク」グループは、環境にやさしい住宅とEVの普及促進のため、省エネ・創エネ技術を採用した積水ハウスの最新の環境配慮型住宅「グリーンファースト」に住宅の様々な情報を管理する家歴システムを導入し、NTTドコモのフェムト一体型ホームICTを設置することによって、エネルギーの有効活用や家電の制御、EVへの充電制御などを行う。「EVサポートネットワーク」グループは、EVの活用促進のため、オフィスビル内の駐車場などへの充電インフラの整備や、効率的な車両運行管理のための情報通信サービス基盤の構築を行う。

 「スマート・ネットワークプロジェクト」の実証実験が行われる横浜みなとみらい21地区のフィールドは、11月4日に完成し、同7日から14日までの期間に横浜で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)主要会議の期間に合わせて公開される。世界各国から集まる会議参加者および報道関係者にアピールし、通信規格の国際標準化の推進につなげたい考えだ。さらに、APEC終了後も順次機能を拡充し、準備が整い次第一般公開を行っていく予定。
(編集担当:上地智)