オリンパス<7733>とソニー<6758>が、平成24年9月28日に締結した業務提携契約に基づき、医療事業に関する新会社を平成25年4月16日に設立する予定であると発表。各国の政府当局または監督官庁の承認を全て取得できたことによるもので、両社が持つノウハウや技術を融合させた事業が漸く動き出すことになる。
外科医療機器市場は、2020年までに7500億円超の規模に達すると予想されている。両社は、このうち外科用内視鏡機器およびその関連事業の市場が3300億円にまで成長すると予想。そこで、オリンパスの有するレンズ・光学技術などの医療機器製造・開発技術、ブランド力及びグローバルな販売、マーケティング力と、ソニーの有するイメージセンサーなどのデジタルイメージング技術、3D及び4Kを含む映像技術など幅広い技術を組み合わせ、外科用内視鏡をはじめとする医療機器分野における両社の存在価値を高め、同市場において20%超のマーケットシェア獲得を目指すとして、合弁会社の設立を進めていた。
しかし、一部の国での審査が当初の想定より時間を要し、従来は昨年中に設立するとしていた新会社の設立が今年にずれ込み、昨年12月21日の発表では、平成25年4月1日までに新会社を設立できる見込みだとしていた。それをさらに2週間余り超過して漸く新会社設立となる。
昨年9月28日に業務提携契約締結が発表された際、その内容として具体的に決定していたのは今回発表された合弁会社の設立のみである。資本金から出資比率、設立時期まで明確にしていたものの、最初から躓き、漸く立ち上がった形である。見通しの甘さを指摘されても仕方がない状況であろう。こうした状況で、両社の目指す20%超のマーケットシェア獲得は実現できるのであろうか。今後の動向に注目したい。(編集担当:井畑学)