三菱重工業<7011>は8日(現地時間7日)、米国アーカンソー州フォートスミス市に設立する風力発電設備組立工場の建設を開始した。
新工場は同設備の中核機器であるナセルを生産するための施設で、当面の生産能力は年間約60万kW。同社が海外でナセルを生産するのは初めてだという。
敷地面積約36万平方メートル、工場建屋面積約1万9,000 平方メートルで、330人規模の雇用を予定。生産開始は2011年秋となっている。運営・管理は同社原動機事業の米国拠点であるMitsubishi Power Systems Americas, Inc.が担当する。また当面、同社の主力大型機種である2,400kW風車を年間約250基生産する方針で、その後段階的に生産量を拡大していく計画。さらに、需要の伸長が予想される低風速域向け長翼機種の投入なども検討していく。
同社は1980年の初号機納入以来、四半世紀余にわたり、風力発電設備の自主開発・製作・供給に取り組んできた国内最大の大型風力発電設備の総合メーカー。米国への参入は1987年で、以来、約3,300基の米国納入実績を誇っている。すでに北米向けのブレード(翼)生産拠点としてVienTek社メキシコ工場を確保しているが、今回、北米にナセルの生産拠点を構築することで、為替リスクを回避しつつ、シェア拡大を目指す。
(編集担当:宮園奈美)