世界遺産暫定一覧表に「百舌鳥・古市古墳群」ら

2010年10月07日 11:00

 外務省は6日開いた世界遺産条約関係省庁連絡会議で、世界遺産暫定一覧表に「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟県)と「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群(こふんぐん)」(大阪府)を追加記載することを正式に決めた。

 暫定一覧表は条約の各締約国が「世界遺産一覧表」に記載することが適当なものの目録として、ユネスコ世界遺産センターへ提出し、各国はその中か1年で最大2件まで「世界遺産一覧表」への記載を推薦できることになっている。記載の可否はその後、諮問機関の審査を経て、世界遺産委員会で審議され、決められる。

 文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会は、金を中心とする佐渡鉱山の遺産群について「400年以上にわたって国内外の採掘技術・手法を導入し、発展させることにより、一連の鉱山技術・鉱山経営手法に基づく文化的伝統を形成した。それは、佐渡鉱山の一群の遺跡・建造物・鉱山都市・集落として良好に継承されており、アジアの他地域の鉱山においては見ることのできない極めて希少な物証」とその価値を示している。

 また、百舌鳥・古市古墳群は仁徳陵古墳を含む巨大古墳群で、「日本の古墳を象徴」し、「日本における国家形成過程を示すモニュメントであると同時に、他に類をみない特異な文化が日本に存在したことを物語る遺産として、人類共通の普遍的価値をもつ」(大阪府)としている。
(編集担当:福角忠夫)