主力コーヒーを拡充、攻めの経営スタイルへチャレンジ

2010年08月30日 11:00

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大阪本社で2011年1月期第2四半期業績に関する記者会見を行った高松富博社長は「主力商品であるブレンドコーヒーを軸に販路拡大に注力し、売り上げを伸ばしていく」と力強く語った。

 ダイドードリンコ<2590>が27日、2011年1月期第2四半期業績を発表。厳しい経営環境の中、収益体質の強化に取り組み、営業利益は前年同期比43%増の実績となっている。

 昨今の飲料業界は、不況による節約志向からなる個人消費低迷に加え、春先の天候不順も重なり売り上げが伸び悩んでいる。自動販売機が90%以上の売り上げという同社にとってもその影響は大きく、例えば本来は優良なロケーションであるオフィスや工場などの職域における人員削減や操業時間短縮などが売り上げ低迷の要因となっているようだ。政府による景気刺激政策などにより、一部においては景気持ち直しの兆しがあるものの活況とは言い難く、回復にはまだ時間を要する不透明な状況が続いているのが現状だ。

 そんな中、同社の飲料販売部門は、本年3月に営業・生産・商品開発を中心とした「メーカー機能」と自販機ネットワークの維持向上を担う「オペレーション機能」に棲み分けた、シンプルな「機能特化型組織」に移行するグループ組織再編を実施。各自の役割期待を明確化させることで全社員の意識改革を促し、新しい時代に適合した「自販機ビジ ネスモデルの再構築」を目指し、持続的発展を展望できる堅固な収益体質の構築に努めている。また、前期より取り組んできた業務の全面的な見直しによる固定費削減など、引き続き徹底したコストコントロールを行い、利益確保に注力。その結果、営業利益は25億8400万円(前年同期43.5%増)、経常利益は21億8500万円(前年同期4.4%増)と前年実績を上回った。

 また、飲料受託製造部門である子会社の大同薬品工業は前年に引き続き受注好調で、売上高を前年同期比で2.5%増としている。これは近年の消費者ニーズが健康食品やサプリメントへ移行している傾向をいち早く掴み、従来のドリンク剤製造のノウハウを礎として、「美容と健康」を謳った女性向け商品の開発体制を構築したことで、大手化粧品メーカーをはじめとする多方面にわたる受注を獲得。さらに営業開発体制の強化並びに生産体制の整備が年々拡充したことに加え、厳しい経済環境の変化から大手医薬品等有力メーカーの生産スタイルが「自社生産」から「OEM生産」へシフトしたことなどにより、安定した受注を確保できるようになったことも、好調を維持する大きな要素になったようだ。

 今後、清涼飲料全体の消費に対する節約志向は依然として否めず、さらにデフレ傾向が継続するなかで、企業間競争は激化することは間違いない。同社は今秋以降、主力商品であるダイドーブレンドコーヒー発売35周年を機にキャンペーンを展開。同商品のリニューアルと「ダイドーブレンドスペシャル〔微糖〕」という新たなラインナップの拡充により主力商品群であるコーヒー飲料の需要を喚起し、販路拡大に注力していく。今後の売上やマーケットでの存在感の維持向上に向けた施策についても前向きに取り組み、組織改革の実効性を上げるべく攻めの経営スタイルをもってチャレンジしていく方針だ。
(編集担当:宮園奈美)