肌を美しく保つため、体の内側と外側の両方から働きかける「内外美容」が大きな注目を集めている。近年、美容食品市場が右肩上がりの成長を見せているが、中でも美容ドリンクは市場全体の約半分の売り上げを占めるコアな商品。今後、内外美容がその流れをさらに加速させそうだ。
ドラッグストアやコンビニの陳列棚にズラリと並ぶ様子を見るまでもなく、元々ビタミンやコラーゲンを多く含んだ美容ドリンクは数多くのメーカーから発売され、内側から働きかけるスキンケアのアイテムとして大きな需要を得てきた。だが、美容ドリンクはあくまでも化粧品とは別のカテゴリの商品として市場を拡大させてきており、化粧品メーカーが販売するものも含め、化粧品ブランドのラインナップの一つとして組み込まれることはなかった。
そんな中、昨年9月にロート製薬<4527>が「エピステーム」を発売、今年3月には資生堂<4911>が「IN&ON(インアンドオン)」を発売し、美容ドリンクと美容サプリメント、基礎化粧品という組み合わせを提案したことで「内外美容」という言葉への注目が高まった。さらにロート製薬は、7月15日に内外美容をテーマにした新しい美容ドリンクを発売。同社の主力スキンケアシリーズ「肌研(ハダラボ)」のラインナップに「肌研 飲むヒアルロン酸」を組み込んだ。同商品は、ヒアルロン酸や体内に吸収されやすいコラーゲンペプチドが詰め込まれ、ロート製薬のオリジナル成分・ヒアロアップ(大豆ペプチド)やグリシンといった美容成分をたっぷり配合することで美しさをサポートする。
この「肌研 飲むヒアルロン酸」の発売に際し同社は、独自調査で発覚した、女性のうち約80%の人が「美容ドリンクを飲んだ経験があり、内側の美容にも関心を持っている」ことや、約90%の人が「化粧品と同じブランドの美容ドリンクを飲んでみたい」と思っていること、そしてコラーゲン中心のドリンク市場において97%の人が「ヒアルロン酸配合のドリンクを飲んでみたい」と考えていることなどを開発の背景として発表。そういった調査結果から、ブランド認知率が90%以上を誇り、代表商品「極潤ヒアルロン液」が化粧水市場でナンバーワン(インテージSRI調査より)の売り上げを誇る「肌研」が内外美容に最も適していると判断した。
さらに、「肌研」シリーズの化粧品と同じく比較的低い価格で提供することや、ドラッグストアを中心に展開することで、ユーザーの目に多く触れ、気軽に手に取ってもらえるような内外美容の新しいトレンドを作っていくことも狙いの一つ。この「肌研 飲むヒアルロン酸」は、「発売後の半年で5億円の売り上げ」を掲げている。内外美容に対する注目の今後のさらなる高まりと、美容ドリンク業界全体の需要の拡大が予想される。
(編集担当:上地智)