三井化学<4183>と帝人<3401>は、日本国内におけるボトル用PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂事業を統合し、新たに合弁会社を設立することで基本合意したと発表した。
近年、日本国内においては、飲料需要の減少に加え、アジアからのボトル用PET樹脂の輸入拡大などに伴い、ボトル用PET樹脂事業を取り巻く環境は厳しい状況にある。現在、三井化学はボトル用PET樹脂事業やその原料である高純度テレフタル酸(以下、PTA)事業を展開。一方、帝人はボトル用PET樹脂事業、およびPTAの粗原料であるパラキシレン(以下、PX)事業を展開している。
こうした中、両社は、厳しい事業環境にあるボトル用PET樹脂事業において、生産・販売・研究のさらなる強化を図ることを目的に、このたび事業統合を行う方針を固めた。この統合により、生産を集約することによる操業度向上、販売部門統合によるマーケティング力の強化、両社の技術の融合による生産技術力の強化といったシナジー効果が期待できるとともに、PET樹脂の原料である帝人のPX事業および三井化学のPTA事業を含むサプライチェーン一貫での競争力の徹底強化を図ることもできる。
今後両社は、新合弁会社において、一層のコスト競争力強化を図ることにより、持続的な事業価値拡大を目指していきたいとしている。
(編集担当:北尾準)