パナホーム、「ケア付き高専賃・一括借上げシステム」をスタート

2010年06月09日 11:00

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パナホームは、ケア付き高齢者専用賃貸住宅の普及促進のため、独自の事業スキーム「ケア付き高専賃・一括借上げシステム」を業界に先駆けてスタートさせた。(写真は、ケア付き高齢者専用賃貸住宅の外観例)

 パナホーム <1924> は、「ケア付き高専賃・一括借上げシステム」を業界に先駆けてスタートさせた。

 この事業スキームの特長は、パナホームで新築した土地オーナーの建物を、同社の子会社となるパナホーム不動産株式会社が最長25年間で一括借上げし、介護運営事業者に運営を転借するというシステム。一括借上げにより、オーナーは与信力が高まって建設資金の調達が容易になるほか、介護運営事業者も建物を用意する必要がなく、少ない投資で事業展開が可能となり、ケア付き高齢者専用賃貸住宅の普及促進に貢献するものと期待されている。

 日本は、高齢者が総人口の約23%を占める(「人口推計月報 平成21年11月1日現在の確定値」より)など、まさに本格的な高齢社会に突入したといえる。厚生労働省の調べでは、施設系の特別養護老人ホームの入居待機者が約42万人にも達するなど、供給不足も顕在化している。このような背景から、国土交通省は、「平成22年度 高齢者等居住安定化推進事業」をスタートさせ、ケア付き高齢者専用賃貸住宅の建築補助金をはじめとする環境整備に着手しはじめた。

 ケア付き高専賃は、デイサービスセンターや訪問介護事業所、小規模多機能型介護施設を併設した賃貸住宅で、グループホームや有料老人ホームなどのように、地方自治体により地域内の総施設数が制限されることなく、登録により開設することができる。また、一定の要件を満たせば、国土交通省から建設費について約10%の補助を受けることもできる。今後も、さらなる入居需要の拡大が見込め、政策的な後押しも期待できるなど、土地活用の新しい選択肢になりそうだ。
(編集担当:北尾準)