市場調査の富士経済は国内の一般用医薬品の主要薬効73分野の調査を今年1月から4月にかけて実施。このうち、胃腸薬、その他消化器官用薬、目薬、外皮用薬それに消毒薬の5分野23品目の市場実態を公表した。総合胃腸薬、健胃・消化薬、制酸薬、鎮痛鎮痙胃腸薬、胃腸内服液といった胃腸薬の市場は2009年は406億円と前年に比べ4.2ポイント減少した、としている。
これは「飲みすぎ・食べ過ぎ対策における健康美容食品との競合が強まる中で、一般用医薬品としては症状・シーン別対応の強化がトレンドとなっており、改正薬事法が施行された2009年は制酸薬を中心とした第1類医薬品の実績減少が響いたため」と分析。2010年の市場については「前年並みの推移が予測される」として、406億円規模にとどまるものとみている。
目薬については、一般用点眼薬をはじめ、抗菌性点眼薬、人工涙液、アレルギー用点眼薬と目の洗浄を訴求する洗眼薬を対象に見た結果、404億円の規模となり、前年比1ポイント増加した。2010年はさらに1ポイント増加して408億円市場になると予測。
また「一般用点眼薬(2009年172億円)は疲れ眼対策の高機能訴求製品が実績を伸ばし、主として中高年層の開拓に成功した。中高年用では、パソコン利用による眼の酷使も影響し、ドライアイ対策需要が高くなっている。アレルギー用点眼薬では花粉症だけではなくハウスダストなどのアレルギーによる通年需要の取り込みが進んでいる。罹患者は価格よりも機能性を重視する傾向にあり、引き続き高機能訴求製品が今後の市場拡大の鍵となると予測される」とみている。
外皮用薬については2009年1342億円と前年比0.3ポイントの増にとどまったものの、2010年も1353億円と0.8ポイントの成長が見込めると予測。「高齢者人口の増加に伴って、関節痛などを患う潜在的な患者増加が予想され、この需要を取り込むことが出来れば、市場は中長期的に安定した成長が期待される」とした。
(編集担当:福角やすえ)