消費者をはじめ事業者、学識経験者らで構成する消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」が18日、都内の三田共用会議所で開かれた。今回で9回目。この日は事務局から、これまでの議論を踏まえた論点整理のたたき台が提示された。
特に、特定保健用食品以外の、いわゆる「健康食品」については、保健の用途の表示をすることができず、健康増進法に基づく虚偽・誇大表示の取締り対象になっているが、消費者に誤解を与えるような表示が現実には数多く見受けられている、として(1)健康増進法に基づく虚偽・誇大表示規制の効果的な執行の確保、(2)関係法令・関係団体との連携促進などを実施することにより、問題の発生を防止するよう求めている。
具体的な課題として、論点の中で、健康食品の虚偽・誇大表示については違法か否かの判断基準が必ずしも明確でなく、どのような表現が取締りの対象になるのかが分かりにくい、と指摘。「消費者庁として、取締りに係るガイドラインの作成、違法表示の具体例の作成に速やかに着手し、効果的な執行の確保に努めるべき」とした。
また、インターネットにおいての健康食品の虚偽・誇大表示についての監視、違反のおそれのある事業者への改善指導についても、指導する回数を増やすなど、一層の監視強化を推進すべきとしている。
加えて「現行の健康増進法では都道府県の取締り権限が明確になっていない」(実際に現場で指導・監督している都道府県の保健所などに勧告や命令の権限が付与されていないなどの問題)や「表示が誇大か虚偽かなどの証明責任を行政側が負っていること」「社名を次々変えて事業を継続するような悪質な事業社名の公表を行い、消費者の注意を喚起するなどの方策など」制度的な問題を含め、引き続き議論する必要がある、とした。
検討委員会は今後も月1回のペースで会合を開き、8月には、検討会としての論点を整理。消費者委員会へ報告し、議論の場を同委員会に移して実効があがるよう議論を深めることにしている。
(編集担当:福角忠夫)