風呂に入れるだけでラドン・ラジウム温泉に警鐘

2010年04月22日 11:00

 国民生活センターは、インターネットの通販サイトなどで「お風呂に入れるだけでラドン・ラジウム温泉になる」とうたった商品のテスト結果を21日公表するとともに、同日、「商品を使用することによって、疾病の治療効果などの効能効果がある旨の広告や表示をしている商品もあり、薬事法上問題となるおそれがある」として、監視・指導の徹底を消費者庁に要望。同庁は即座に厚生労働省担当所管にその要望を伝えた。

 同センターの商品テストは、鉱石タイプ5銘柄、セラミックボールタイプ3銘柄、それらの混合タイプ2銘柄について実施されたが「風呂水のラドン濃度、ラジウム濃度ともに、全ての銘柄で温泉法の基準を大きく下回った」としている。

 ラジウム濃度にいたっては、すべての銘柄で「検出できないほど低いもの」だった、という。さらに、販売サイトの広告表示では10銘柄中、6銘柄で「疾病の治療などの効能効果をうたっていた」としており、景品表示法上の問題とともに、薬事法上の問題にもなる恐れがあり、監視や指導の徹底を求めている。

 センターによると、全国消費生活情報ネットワーク・システムには2004年度から今年2月末までに、浴室で使用するラドン・ラジウム関連製品に関する相談が387件、そのうち「お風呂に入れてラドンを発生させる箱入りの石を購入したが、効果が分からず、本当にラドンが出ているのかも疑わしい」、「お風呂の中に入れるとラジウムが出て健康効果があるという。安全なものか」といった品質や安全性に関するものが71件寄せられており、「商品を使用することによって風呂水にどの程度のラドンやラジウムが含まれるようになるのか等を調べることにした」としている。

 また、387件の相談のうち、購入ルートでは訪問販売が310件と全体の8割を占め、購入価格帯では30万円から50万円が165件と43%を占めた。100万円以上も4件あった。