2026年度予算案、122.3兆円で過去最大。社会保障と国債費で支出の6割

2026年03月13日 12:04

国会議事堂18

過去最大の122兆円予算、衆院通過へ。防衛9兆円・社会保障39兆円が示す政策焦点

今回のニュースのポイント

・一般会計総額は122.3兆円、前年度から大幅増: 政府が閣議決定した2026年度当初予算案は122.3兆円と、前年度(115.2兆円)を大きく上回り過去最大を更新しました。与党は3月末までの成立を目指し、審議を加速させています。

・社会保障・国債費が支出全体のほぼ6割に: 社会保障関係費は39.1兆円、国債費は31.3兆円と共に過去最高を更新。財政研究者からは、少子高齢化と金利上昇局面への移行が、財政を圧迫する主な要因となっているとの分析が出ています。

・防衛費9.0兆円、地方交付税20.9兆円も過去最大: 防衛力強化計画に基づき、防衛費は約9.0兆円を計上。地方自治体の物価高対策等の財源となる地方交付税交付金も20.9兆円と、主要項目で増額が目立つ編成となっています。

 2026年度予算案の審議が衆議院で大詰めを迎えています。一般会計総額122.3兆円という過去最大の規模となった今回の予算案について、政府は日本の社会構造の変化と安全保障環境の変容を反映した内容であると説明しています。

 予算案の歳出構造を見ると、固定的な支出の増大が顕著です。社会保障関係費は約39.1兆円に達し、全体の3割超を占めています。これに加え、利払いや元本の返済に充てる国債費が31.3兆円と、初めて30兆円の大台を突破しました。これら2項目だけで支出全体の約6割を占めており、経済シンクタンクの専門家は「高齢化に伴う給付増と、金利上昇による利払い負担増という、財政運営上の課題が表れている」と指摘しています。

 重点政策分野では、防衛力の抜本的強化に向けた予算配分が焦点となります。防衛費は約9.0兆円が計上され、無人機やミサイル関連、インフラ強靭化などが盛り込まれています。一方、地域経済の支援策として地方交付税交付金は20.9兆円が確保されました。現在の日本経済は、円安局面において輸出数量の伸びが鈍い一方、投資収益や観光収入により経常黒字がGDP比で約4%前後まで拡大するなど構造が変化しており、政府はGX(グリーントランスフォーメーション)関連の民間投資支援なども通じて実力の底上げを図る方針です。

 予算審議における議論の一つとして、物価高対策をめぐる提案が注目されています。一部の与党議員からは「食料品への消費税8%の2年間停止」といった案も浮上していますが、政府内では慎重論もあり、あくまで政策議論の一環として検討されている段階です。首相は、家計負担の軽減策として所得税控除や現金給付を組み合わせた手法を含め、多角的な視点から「手取り最大化」を目指す考えを示しています。

 与党は年度内成立を確実にするための審議を進めていますが、膨張する歳出に対する財政健全化の道筋については、野党や市場関係者から厳しい指摘もなされています。拡大する防衛・社会保障ニーズと、限られた財源のなかで、いかに景気対策と財政規律を両立させるか。今回の2026年度予算案は、今後数年間の日本の政策スタンスを映す試金石になるとの意見が、複数の民間シンクタンクから出されています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)