生活者の脳波から関心掴み商品開発する時代へ

2010年04月12日 11:00

 商品開発は生活者の脳波から、よりきめ細かく、深く需要を把握し、効率よく開発する時代を迎えることになりそう。

 大日本印刷が生活者に、ヘアバンドタイプの脳波形を装着してもらうことにより、そこから測定した脳波で生活者の興味関心の度合いを分析し、効果的な制作物の作成を支援するサービスを12日から始める。

 東京農工大学の満倉研究室(満倉靖恵准教授)との共同研究により、実現した。大日本印刷が9日発表した。

 それによると「生活者にヘアバンドタイプの脳波計を装着し、雑誌、カタログ、パンフレットなどの冊子を閲覧してもらい、脳波を測定する。冊子の見開きページごとに貼られたマーカーをカメラで撮影し、各ページの閲覧時間のデータを取得して脳波の測定値データと一体化することにより、各ページの興味関心度の高さと推移を分析する。さらに、閲覧した冊子に対するアンケート調査結果と比較することにより、『アンケートで関心があると言っていたページより関心を持って見ていたページがあった』『長時間見ていたが、それほど関心は高くなかった』など、生活者の興味関心をより多面的かつ深く把握することができる」としている。

 また、対応できる冊子のページ数の目安は200ページ。デジタルコンテンツを調査する場合は、興味関心度の高い画面や低い画面、興味関心度の推移を分析する。

 さらに、別途料金がかかるが、被験者の眼球の動きをセンサーで検知するアイトラッキング調査を追加することにより、各ページの、どの部分に興味があるかをより詳細に把握することも可能としている。

 基本メニューの価格は調査対象者が6名の場合、95万円から(対象者の選定収集・謝礼費用が不要の場合は80万円から)。また、今年6月まではトライアルキャンペーンとして65万円から(対象者の選定収集・謝礼費が不要の場合は50万円から)利用できるという。

 この種の調査では、低価格でサービスが受けられるため、手軽に導入できるメリットが大きい。また、自社製品や他社製品などで競合する商品の、どの部分が特に消費者に魅力を感じさせているのかなどを探るにも調査コストを抑えながら、貴重なデータを収集できるメリットがある。
(編集担当:福角忠夫)