積水ハウス、ICタグで廃棄物発生量の削減と資源の有効活用を促進

2010年04月12日 11:00

 積水ハウス <1928> は8日、ICタグを活用して建築廃棄物の発生量や種別などのデータを緻密に把握・分析できる次世代型のゼロミッションシステムを11月末までに全国展開すると発表した。

 同社は、平成19年から国土交通省の助成事業として全国22の支店でこのゼロミッションシステムを試験的に実施してきたが、今回、一部、環境省の助成を受けて同システムを全国の支店で展開するための体制が整ったことで、本格運用へと踏み切った。ICタグを活用したゼロエミッションシステムの全国展開は国内で初めてだという。

 住宅の建築には木材や石膏ボードをはじめ様々な資材を大量に必要とし、しかも建築現場が全国各地に多数点在するため、現場で発生した廃棄物の回収やリサイクルを徹底するのは他の業界に比べ難しいとされてきた。そのような中、同社では平成12年より熱回収を伴わない焼却や廃材の埋立処分を一切行わず、リサイクルを徹底するゼロエミッションの取り組みを開始。平成14年に生産工場でのゼロエミッションを達成したのを皮切りに、平成17年に新築施工現場、平成18年にアフターメンテナンス、平成19年にはリフォーム施工現場でもゼロエミッションを達成し、住宅業界を牽引してきた。

 この「次世代型ゼロエミッションシステム」を全国展開することにより、同社は施工現場で発生した廃棄物の種別と発生量、排出時の状況を、施工現場や廃棄物の回収袋単位で正確に把握することが可能となる。集計したデータを開発や生産、施工現場など各部門にフィードバックし、部材生産や施工方法の改善を図ることで、これまで以上に廃棄物発生量の削減と資源の有効活用を促進し、環境配慮型商品の開発にも活用できるという。

 同社では、今年度は住宅施工現場の廃棄物発生量を前年度比10%削減し、さらに資源の有効活用により、実施3年後には年間約3億円のコストダウンを見込んでいる。
(編集担当:北尾準)