農業経営者の半数が6次産業化に取り組む

2010年03月18日 11:00

 日本政策金融公庫のスーパーL資金(担い手農業者向け長期資金)を活用している農業者の47.6%が生産物の直接販売や通信販売、農家レストランなどの飲食、加工など6次産業化に取り組んでいることが同公庫のアンケート調査で分かった。

 また、取り組んでいない農業経営者の中にも、今後、6次産業化に取り組みたい意向を示している人が31.3%あった。

 これは、日本政策金融公庫がスーパーL資金利用の農業経営者2万952人を対象に今年1月に調べたもので、7065人から有効回答を得た。

 それによると、6次産業への取り組みを行っている人は47.6%。特に取り組み内容では「直売所での販売」(33.7%)が最も多く、加工(17.7%)、通信販売(17.1%)と続いた。飲食も4.7%あった。

 取り組んでいる人のうち、19.4%は、新たな取り組みを始めたいと答え、39.5%は今の取り組みを増やしたいと積極姿勢で事業の拡大を見込んでいた。一方、現状維持は37.8%にとどまり、減らしたい(1.7%)、やめたい(1.5%)は1%台だった。

 きのこ栽培や果樹栽培、施設野菜栽培、採卵鶏、施設花き栽培経営者では直売所での販売が多く、茶の栽培や果樹経営者では加工への取り組みをしている人が多かった。直売所の利用や通信販売での販売など消費者への最短ルートでの販売は、生産者にとって、経費削減になるほか、消費者の声が直接届くなどのメリットがあり、消費者も生産者の顔が見える安心感と生産物の鮮度の良さから支持が高まっており、今後も直販形態の販売は増えていくとみられている。
(編集担当:福角忠夫)