「ゴルフというのはある段階まで、決して難しいものではない。正直なところ頭を使ってゴルフに取り組めば、アベレージ・ゴルファーが70台で、ラウンドできないわけがない。。。」ゴルフレッスンのバイブルといわれている、ベン・ホーガンの著『モダン・ゴルフ』のまえがきの言葉である。これはゴルフのスイングを始めて理論的に体系化した本である。
端的に言えば、頭を使えば、だれもが70台のスコアが出るということだ。
ゴルフは、他のスポーツと違って、止まっている球を打ち、多くの道具を使い、審判がつかないなど特別なスポーツだ。いかに頭を使って、少ない打数で、ホール(穴)に入れるかを競うゲームだ。
この頭を使うゴルフを実証した驚異的な快挙がつい先日誕生した。そう、新聞紙上を賑わした、日本レギュラーツアー史上初めての快挙を、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司(66)が、「つるやオープン」で、スコア62で回る、エージシュートを成し遂げたのだ。彼の凄い点は、昨季22試合全て予選落ち、獲得賞金ゼロの屈辱から、日夜勝つゴルフを考え、苦悩の中から生まれた大記録だ。
これまで、アメリカでサム・スニード、アーノルドパーマー、日本では青木功、杉原輝雄、中村寅吉と5人が達成しているが、スコアは年齢とイーブンか、1つ下ぐらい。ジャンボはなんと4打差である。
現在の日本のゴルフの現状は少しさびしい。本のゴルフ場は、バブルの崩壊以後、入場者が年々減少し、ゴルフ場のプレイ費値下げ競争に入っているのが現状だ。その結果確かにサラリーマンゴルファーは、多少なりとも増えてきたのは確か。
しかし欧米のように、子ども縺れのゴルファーが見られるようにはなっていない。今後ゴルフを発展させるには、子どものゴルフを普及させない限り、未来は見えてこないと見る向きは多い。このままでは日本のゴルフは、メジャーで戦えないばかりか、ゴルフ文化そのものが衰退してしまうとの危惧も指摘されている。そんな中の今回の快挙である。若き栄才“ミスター予選落ち”の石川遼一人に頼っている、日本ゴルフ界に一矢を報いた格好。中高年の星ジャンボ頑張れ!(編集担当:犬藤直也)